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いよ立花駅付近(伊予鉄道)

(クリックすると拡大します。なお、この航空写真は国土交通省のサイト「国土情報ウェブマッピングシステム(試作版)のご利用に当たっての注意事項」に基づき記載しております。)

私は、これまでに伊予鉄道の先見の明について何度か書いてきたものである。が、その伊予鉄道にして、最大の誤算が森松線の廃止だったのではないだろうか。いや、むしろ世間一般には森松線の廃止が伊予鉄道は逆に「先見の明のなさ」として見られているような気さえする。一説には、当時の伊予鉄道はそれほど経営状態がひっ迫していたとも聞く。

森松線は現在の国道三三号拡張の基礎となって消滅したという。もし、もう少し道路が広くて、道路の中央を電車が走っていたならば、石井、森松、久谷そして砥部の交通地図はどうなっていたことだろうか。

伊予鉄道が作成した「松山公共交通ゆめマップ」でも森松線の復活と砥部までの延長が記されているし、実際あちこちで復活の話は聞くが、現実性となると色々な問題点が浮上してくるようだ。

廃線跡を探すにあたり、まずは立花駅の構造から見てみる。森松線はこの立花駅から分岐していた。この駅は現在行き違い設備を持つ島式ホーム一本の駅である。が、このホームに立つと線路の引き方に無理があるような気がしてならない。

(1:福音寺側から進入すると、妙に急なSカーブがあるのに、ブロック塀はまっすぐである。正面の建物は伊予鉄の変電所、資材置場、派出所と続き、さらに道路の向こうのビルも伊予鉄道所有である。森松線があった頃の写真を見ると、立花駅は現在の島式ホームの画面右側に対面式ホームが1本あった。つまり、現在のホームは元々森松線のホームなのではないだろうか。)

石手川公園方面からの線路が立花駅でカーブをとるのはやむをえないにしても、福音寺からやってくる線路も駅直前で一度南側へカーブをしてから駅に進入するのである。ただ、その北側にある派出所をみれば一目瞭然で、城北線木屋町のごとく、なにもわざわざ線路を曲げる必要もないくらいに更地がまっすぐに伸びているし、なんと言っても、立花駅の古い写真ではこんなカーブは見当たらない。

そこで推測なのだが、実際は現在のホームはかつての森松線のホームで、古い写真で見る最も北側のホームが横河原線ホームで、横河原線ホームに伊予鉄立花駅と駐車場スペースを確保したのではないか。だから、福音寺から立花駅に進入する際には、いわゆるS字カーブで元の森松線ホームへと渡ってくるのではないのかと思うのである。

(2:一目で森松線跡だということが判る公園。)

現在森松線はないのだから、伊予鉄道がどのようにホームを使おうと、問題はないのだが・・・

(3:廃線跡が公園になっているのはここまで。この先は道路にリリースされるのだが、行き止まりの先にあるのがおなじみ(?)の愛媛銀行。)

で、立花駅から森松線の分岐跡を探すのは比較的判りやすい。なんと、線路跡が公園になっているのである。この公園は約五メートル幅で百メートル近く続いているだろうか。その公園が途切れる場所に、なんと愛媛銀行がある。勝山町の本店、宮田町に続いて、ここにも伊予鉄道の廃線跡と思われるところに店舗がある。ひょっとして、愛媛銀行の店舗を追っていけば線路跡が見つかるのではないかと思ってしまうくらいである。

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