JR四 国伊予大洲〜向井原貫歩

かずま る父単独編(長浜廻り前編)

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前編 伊予大洲〜 喜多灘21・5キロ(実距離22・5キロ)

  

  

(クリックすると拡大します。なお、この航空写真は 国土交通省のサイト「国土情報ウェブマッピングシステム(試作版)のご利用に当たっての注意事項」に基づき記載しております。)

3月31日(土)、新企画は思わぬことからやってきた。この日の予報は気象庁が晴後曇、民間気象会社WNIが曇時々雨という予報を出し ていた。そこへ、かずまる2号から土日泊まりにこないかという誘いがかかった。春休みでもあり、一度は両方決行も考えたが、かずまるの最近の体調を考える と、それは無謀と思えた。木曜日になって、私は土曜日の天気は晴後曇、夜雨と勝手に判断した。そしてそれは的中した。(かずまるの自己主張「天気予報編」 参照)

  

左:五郎駅、右:春賀〜五郎間4727D

さて、いよいよ松山〜宇和島間100キロ貫歩単独編最終回の時がやってきたかに思えた。が、金曜日の帰りの1072D車中、ふと「単独 編最終回は、そもそも仕事を午後から休んでも敢行できるはずだ。だから、6回目に無理をして伊予吉田まで来たのではなかったか?」平成19年度も職場の体 制は変わらない。次の次の企画も固まりつつある。月1回の行軍が予定されている。宇和島からならば半日でできることを、わざわざ松山から1日かけてくる必 要はない。無駄な休暇はとるべきではない。という考えの中、2つ目の企画「(松山〜宇和島100キロ貫歩外伝・伊予大洲〜向井原)長浜廻り前編」をやるこ とになった。

今回の歩行距離は伊予大洲〜喜多灘間22・5キロ、今までの行軍では最長距離、予定時間は5時間08分、実に平均時速4・38キロを必 要とする。まあ、遅れた場合は、次の列車で帰れば良いだけではある。ただ、先週末以来、風邪の具合が余りよろしくない。特に喉が痛い中での行軍に不安が残 るが、別に熱があるわけでもないから、どのくらい余力がかるのか試すのも良かろう。なんと言っても、満開とはいえないまでも桜リ下での行軍は最高だ。2年 前の関口知宏さん追っかけを思い出させる。あの時はの肱川と大洲城は桜が満開だった。

  

左:春賀駅、右:旧愛媛鉄道跡で現在は道路トンネルになっている春賀ト ンネル

松山9時00分発の1053Dで一路伊予大洲をめざす。先週末の開花宣言以来、桜も少しずつ開き始めている。それだからかどうか、乗客 が多い。1号車は自由席も指定席もほぼ満員である。が、その半分は内子で下車してしまった。やはり、内子の集客力は大きいようだ。

伊予大洲着9時37分、ここから同行編第7回目と同様、肱川沿いに下っていく。河川堤防には河口までの距離が100メートルごとに表示 されている。河口手前で伊予長浜駅方向へ逸れ、その後は喜多灘駅まで約5キロだから、目標にはなる。目標にはなるのだが、今日はほとんど勾配のない道路を ただひたすら歩く。

五郎駅まで来たところで、時計を見るが、予定時刻よりもわずかに2分ほど早いだけである。今日は本当に後半速度が落ち込んだらヤバイこ とになりそうだ。その五郎を過ぎたところで、五郎10時25分発の下り普通列車がやってくる。長浜廻りの午前中の列車は本当に間延びしており、この列車を 最後に、予定では伊予出石駅付近での12時25分頃まで、実に2時間列車を見ないことになる。

  

左:米津に出る最後のトンネルだが通行不能、右:伊予白滝駅

先ほど、今日はほとんど勾配がないと書いたのだが、八多喜を過ぎたところで、小高い丘を登ることになる。現在のJRとは離れているのだ が、ここが今日のクライマックスの旧愛媛鉄道跡を歩くことになる。ここの部分だけは、別企画で掲載しているので、そちらを参照願いたい。

予讃線八多喜駅付近・愛媛鉄道跡へ行く >>

ともかく、3つあるトンネルが、長浜方向へ行くにつれ、凄いことになっていった。当初の情報から3つ目のトンネルは通り抜けることはで きないだろうと予想していたので、あらかじめ迂回路を探しておいたのだが、これはまさに廃線跡に相応しい場所であり、大いに満足した。

が、後で調べて見ると、伊予出石付近にも廃トンネルがあるのだそうだ。そのあたりは勉強不足だったのだが、幸い同行編が(いつになるか は判らないが)控えているので、次回に期待したいところである。

  

左:伊予出石駅、右:伊予長浜〜伊予出石間今回唯一の単行以外となった おなじみ729D

伊予白滝、伊予出石と過ぎて、まもなく729Dがやってくる時刻になる。長浜廻りは日中ほとんどが単行であって、この729Dが唯一の 2両編成になる。このシリーズでも、あちこちで撮影しているので、カメラを構えてみるが、ちょうどよい場所では撮影できなかった。

今日の歩行距離は長いのだが、幸い猛烈な追い風に助けられるように、さくさくとここまでやってこけた。が、長浜が近づいたところで、急 に向かい風に変わった。しかも、風が冷たい。

13時過ぎに伊予長浜到着。ここのベンチで昼食をとることにしたが、ここでどっかりと座り込んだのが悪かった。再び歩こうとしたら、左 足付け根が痛くて歩けない。これはもはや持病のようなもので、かつては北海道中標津の開陽台で同じことになって以来度々起こる。

  

左:伊予長浜駅、右:喜多灘〜伊予長浜間4731D

とりあえず、あと5キロで残された時間は1時間20分。騙し騙し歩いてみて、体が温まるのを待つ。次第に痛みは引いてくるが、速度は完 全に落ちてしまった。長浜からは瀬戸内海に出るのだが、このあたりは大埋立地になっていて、海も見えず、歩いていてあまり楽しいところではない。

ようやく海が見えてきたところで、あと2キロ。瀬戸内海を満喫できるのは次回になりそうだ。さて、2万5千分の1の地図で距離を測る際 に、目標となる場所の設定で今回は大失敗をした。主要道や肱川にかかる橋などであれば、はっきりと場所がわかるのだが、そういうものがない今回の場合は、 各集落を流れる川を目印にしていたのである。が、この国道378号は既存の道路を拡張したのではなく、海側に道路を新設している。このため、それらの橋が さっぱり判らないのである。

最後の休憩地となった場所で4731Dを待つため、歩車道境界ブロックの上でしばし座り込んでいたのだが、この場所が果たして、地図上 で一体どこなのかがさっぱり判らない。判らないといっても谷かどうかはわかるから、谷をひとつ間違えた場合、10分以上時間がずれることになる。 4731Dが通過したとき、残された時間はあと約30分。目的地喜多灘駅まではあと1キロなのか?2キロなのか?

  

左:喜多灘駅の4734D、右:向井原駅とシリーズ前半でよく乗った 4648D

結局、最後まで、落ちた速度を思い出したようにアップされることの連続で、気がついたら、目の前に「伊予市」の表示がある。慌てて、上 を見ると、そこが喜多灘駅である。列車が来るまでにあと15分ほどあるから、多分4731Dをやり過ごしてからの距離はあと1キロだったのだろう。

しばらく休んで、4734Dに乗る。この列車は伊予市行きで、伊予市からシリーズ前半でよく乗った4648Dに乗り換えるのだが、私は 向井原で下車する。向井原からは運賃を必要としない。この方が下車時に運賃を払えば金額がすっきりとする。

総行程22・5キロ、今回は高低差がほとんどなかったせいか、足の裏が擦り剥けてしまうような感じにはならなかった。が、この位の距離 が自分の限界だという気もしてきたのであった。(2007.04.05、写真は全て敢行日撮影)

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