JR四 国伊予大洲〜向井原貫歩

かずま る父単独編(長浜廻り後編)

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後編 喜多灘〜向 井原19・7キロ(実距離21・3キロ、総歩行距離:伊予市24・4キロ)

  

  

(クリックすると拡大します。なお、この航空写真は 国土交通省のサイト「国土情報ウェブマッピングシステム(試作版)のご利用に当たっての注意事項」に基づき記載しております。)

3月31日以来となったこのシリーズの後編であるが、無事6月2日(土)に決行することになった。が、なんと、朝起きると、雨がパラバ ラしている。雨雲レーダーではそんなに振らないと思ったので、そのまま決行する。

松山から1053Dで伊予大洲まで行って、4728Dで前回の終着地点である喜多灘駅へと向う。本当は松山9時11分発の4727Dで 行ったほうが早く着くのであるが、前回の回顧をしながら行ったほうがよかろうと勝手に解釈した。

  

左:喜多灘駅4728D、右:串駅

その4727Dとは伊予長浜駅で退避するのであるが、少々遅れているようで、伊予長浜駅手前のトンネルの手前にある信号場で待たされ る。伊予長浜駅は、今気づいたのだが、現在も3本の線路を有している。とっくに1線減らされていると思っていたのだが、なんだか、かつての急行停車時代が 懐かしく感じられる。

喜多灘10時13分着。確かに4727Dで行けば、9時57分には到着しているのであるが、まあ、それもよかろう。ただ、歩くのには ちょうどよいのだが、6月にしては少々寒い気がする。

今日の前半戦は、ただ単調な道をひたすら歩くだけである。海上は霞がかかっていて、見通しがよろしくない。しかも、さきほど列車から下 車した後は、約2時間後の伊予上灘12時13分発の729Dまで全く列車を見ることもないのである。

  

左:下灘駅遠望、右:下灘駅

串駅を過ぎ、夕陽で有名な下灘駅へと近づく。この駅は、かつては「日本で最も海に近い駅」として有名であった。高台から見ると、確かに 現在も線路のすぐ海側に護岸壁が見えるから、ここが海岸線の時代ならば、そのとおりである。が、現在、その海側を埋め立てて、道路を通したために、相当海 が遠くなってしまった。これならば、鶴見線浜芝浦駅の方がよっぽど海に近いと思う。昭和60年当時にこのあたりの国道378号改良工事が行われていたのだ が、その際に、この「日本で最も海に近い駅」のキャッチフレーズに異議を申し立てたら、周囲から総スカンをくらったことがある。

現在、下灘駅は予讃新線が開通した頃から始めた「夕陽コンサート」によって、夕陽の駅として有名になった。しかし、最近ではさすがに 「日本で最も海に近い駅」という言葉を聴かなくなった。

  

左:鉄橋の工事区間、右:伊予上灘〜下灘間729D

さらにしばらく歩いたら、橋の補強工事が行われていた。橋の補強工事といえば、例の餘部鉄橋が思い浮かぶが、さはほど、4727Dの伊 予長浜到着が遅れたのは、この区間で徐行運転を行っているからかもしれない。

伊予上灘駅まであと少しというところで、12時10分になったので、慌てて近くの道を駆け上って、729Dを待つことにした。列車の後 方に本尊山を入れたかったのだが、アングル上どうしても線路内に入らなければ、山が入ってくれない。それでは危ないので、結局山の方を諦めた。

12時25分伊予上灘駅到着。予定よりも25分ほど早く到着したので、駅前にある「道の駅」で昼食をとる。といっても、じゃこ天とたこ 焼を買って食べていたら、25分があっという間に過ぎてしまった。これで、時間的余裕はゼロ。だが、今日は4648Dで帰るならば特に急ぐ必要はない。

  

左:伊予上灘駅、右:高野川駅

ただ、予定どおりに歩いたならば、向井原到着は15時10分頃となる。そこで、4648Dを待てばよいのだが、個人的には伊予市まで歩 いて、4648Dに間に合わなければ、1066Dで帰ればよいと考えている。ここまでの歩行距離は11・8キロ。向井原までの距離が21・2キロ、伊予市 までならば24・4キロ。向井原ならば中間点を過ぎたことになるが、伊予市までならば中間まで来ていない。まだ先は長い。

予讃線は、伊予上灘を過ぎると、海岸線に下りることなく、山の中腹をずっと走る。というより、次の高野川は、集落そのものが山の中腹に あるようだ。国道を歩いていると、どこに駅があるのかが全くわからない。が、歩いていると、生徒の自転車が2台並べられているところから、細い上り道が見 える。この上に駅があるに違いない、と思って、急坂を登っていくと、そこに高野川駅があった。これが、予讃線松山以南の最後の駅になる。

  

左:上灘方面遠望、右:三秋信号所跡

高野川からは、伊予市方面への急坂を下って、再び国道に出る。しばらく歩くと、ここから三秋峠への上り坂が始まる。15キロを過ぎてか らの上り坂は想像以上に苦しい。東京マラソン(現在は女子のみになった)の35キロ以降の急坂のようである。しかも、このあたりから、太陽が姿を見せ始め た。

この峠は、国土地理院の地図では「銭尾峠」と書かれているが、バス停は「三秋峠」となっているので、ここでは後者を採用する。車で走っ ていると、たいしたことはないのだが、改めて地図を見ると、なんと標高90メートル近くまで登っているではないか。しかも、坂の途中でオメガカーブがある のに、歩行者用の短絡路がないため、必要以上に疲れたような気がする。途中にかつてここに特急が走っていた頃にあった三秋信号所を通る。かつて、朝急行列 車で松山へ向うときに、ここで7分待って、何が来るのかと思ったら、普通列車がやってきたことがあった。急行列車も通勤列車には勝てないものだと思ったも のである。

それでも、三秋峠を越えると、少なくとも下り坂が待っていると期待したのだが、下りになると、もはや自分の足にバネがないかのごとく、 まさにぺったんぺったんと音がするかのように速度が上がらない。ただ、予定時間よりは20分程度は早いらしく、下り終わるところで、ちょうど向井原を通過 する9Dを見ることができた。というわけで、向井原到着は14時30分。これで、予讃線松山以南の線路沿いを制覇したことになる。4648D到着まではあ と1時間。それまで列車は全くない。これは伊予市まで行くしかない。

  

左:向井原駅、右:向井原〜伊予市間1064D

結局、そのまま伊予市まで歩き続け、伊予市到着は15時05分。ついにこのシリーズが終了した。総行程24・5キロ、最後はただ足を前 へと出すだけになったが、今までの最高距離を歩いたのだから仕方はあるまい。これで、松山〜宇和島間100キロ貫歩は全て終了し、これからは途中の駅から 山を登って、次の駅へ行くという企画が始まる。(2007.06.08、写真は全て敢行日撮影)

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