松山〜宇和島間・駅からトレッキング

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第2回 内子(石畳)〜鳥越峠〜下灘14・1キロ

   

(クリックすると拡大します。なお、この航空写真は国土交通省のサイト「国土情報ウェブマッピングシステム(試作版)のご利用に当たっての注意事項」に基づき記載しております。)

昨 年10月に内子から牛ノ峯登山をして、登山道への限界を知った私は、それ以後、一般道を歩くことを目標とした。その結果が松山〜宇和島間100キロ貫歩 だった。それが終焉を迎えたとき、今度は予讃線の駅から近くの山を登る登山道ではなく車道を歩くことを決めた。その発端となったのが、前回歩き始めた内子 町石畳から県道沿いに双海下灘駅へと抜ける道だった。牛ノ峯への登山道は、はっきり言って、単独登山は少々危険があった。が、国土地理院の車道を歩けば問 題なかろうと考えたのが、この企画だったのだ。

  

左:内子駅632D、右:内子駅に到着した185系イベント列車

今 回はほぼ全行程県道だから問題はあるまい。と思ったのだが、意外なところに敵がいた。当初予定していた6月15日(金)が雨で中止、次の22日(金)も雨 で中止、さらに29日(金)も雨と言う予報が出ていた。前回の牛ノ峯登山同様、内子から石畳間のバスは土曜日は運転されていない。(と思ったのだが、前回 は伊予鉄南予バスで土曜日は時刻が違っていた。今回は内子町営バスに移管された後で、土曜日は同時刻で走っていたような気がするが、どうだったか忘れた。 ただ、休日が運休であることには違いない。)かような訳で、仕方がないから、6月29日(金)に強行したのであった。

前 回の牛ノ峯登山同様1055Dで内子まで行って、そこから前回行軍後に伊予鉄南予バスから内子町営に代わったバスに乗って石畳へと向かう。ただ、やってき たバスは写真のとおり完全なワゴン車であった。しかも白ナンバー、車体には「内子町営バス」と書かれているから、なんらかの許可を得ているのだろう。た だ、車内では一切バス停の案内などはなかんら、次回のような鎌倉山登山をする場合は、あらかじめ運転士に告げておかなければならないだろう。運賃も伊予鉄 南予バス時代よりも50円程度値上げされたような記憶がある。が、なによりも、バスが走っていることがありがたい。

  

左:石畳バス停を出発する町営バス、右:双海下灘へと抜ける県道

前 回下車した終着のひとつ手前の石畳バス停で下車し、いよいよ県道を双海下灘まで歩く。が、幸か不幸か、はたまた最大の誤算か?雨どころか陽が照り始めた。 まさかそんなことにはなるまいと思っていたので、半袖でやってきたのだが、まあ、最初から雨にたたられるよりはマシだろう。木々が覆いかぶさる狭い道路 を、ただひたすら歩くだけだが、それにしても、これが県道か?という道が続く。昭和48年頃の航空写真を見たら、峠辺りの道路が繋がっていない。

30分ほど歩くと、古橋という集落が近づく。ここの入口には「屋根付き橋」の標識がある。内子町にはこのような橋が多く、石畳のバス停近くにある弓削神社にもある。ただ、国道56号の伊予市中山との境界付近にもあるから、結局毎日見ているような気がしないでもない。

こ の古橋の集落からは、谷が北側に開けていて、県道からも道路が延びている。県道が山の斜面を登っていくのに対して、こちらは谷の底から登っていくような感 じだ。この向こうには仏峠があって、そこから双海側へは富岡集落、日喰集落と下って、直接下灘駅へといけるはずなのだが、例の「徒歩道」が待ち構えてい る。時期的に歩くべきときではないだろうから、素直に県道を歩く。

  

左:鳥越峠、右:瀬戸内海を望む

そ して、歩きはじめて1時間余りの午後1時頃、標高約530メートルの鳥越峠を越えて双海側へと出る。付近には工事の車が日陰に並んでいて、作業員が地図を 見る私に「何か、調査してるのか?」とたずねる。「下灘へ降りるので、地図を見てるんです」と言ったら、妙な表情をしていた。

が、 下り始めても、あまり視界は開けない。が、道は容赦なく下っていく。かなり下ったところで、ようやく眺望が開ける場所に出る。遥か周防大島までがはっきり と見えるが、海の黒さが、まもなく雨が降り始めることを知らせてくれている。あと1時間半ほどで下灘へ降りる予定だが、それまでに少しでも下っておきた い。途中で県道から分かれて、短絡路をただひたすら下っていく。山に登ったときには、その見返りである眺望を楽しむべきなのだが、あまり視界がきかない上 に、雨の心配があるから、結局何をしに来たのかという気がしないでもない。

午後1時40分、奥西という集落で県道と再 び合流したところで、ついに雨が降り始めた。下灘駅まではあと3キロ程度、幸い、本降りにはならない程度、合羽を着たら、反対に汗をかいてしまう程度、あ るいは雨によって逆に体温を下げてくれる程度の雨が降り続く中、ようやく下灘の集落へたどり着く。あとは、海岸沿いに下灘駅へと向かう。

  

左:下灘駅、右:下灘駅4734D

こ の下灘駅は、有名である割には、なんで下灘の集落からはこんなに離れているの?という気がしないでもない。それでも最後はかなり急いだので、予定よりも早 く、2時半前には駅に到着した。今治ではこの夜50ミリの雨が降ったそうだが、相変わらずといった雨がふる中、しばらくは下灘駅のホームでぼーっと海を眺 めることができたのであった。(2007.07.10、写真は全て敢行日撮影)

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