松山〜宇和島間・駅からトレッキング

愛媛の「鉄」の紹介 > 鉄分ダイエット編 > 駅トレ編 > 目次 > 9回目
 
第9回 伊予白滝〜滝山〜喜多灘16・5キロ

   

(クリックすると拡大します。なお、この航空写真は国土交通省のサイト「国土情報ウェブマッピングシステム(試作版)のご利用に当たっての注意事項」に基づき記載しております。)

壷 神山は、期待と不安が入り混じった場所である。なぜかというと、「愛媛県の山(山と渓谷社)」では、体力度が「4ランク中3」と困難な部類に入っている。 ちなみに、石鎚山の西条側が「2」、土小屋側は「1」である。しかもこの本の山道には不安なところが多い。先日法華津峠を越えた時も、高森山からの登山 ルートは、とても歩けるような道ではなかった。今回も登山道に不安があるため、あまり乗り気ではなかった。

  

左:伊予白滝、右:白滝

と いうわけで、11月30日(金)に休暇をとって出かけた。先の本のとおり白滝を越えて行く予定だが、この白滝方面へ行くには1053D〜4728Dと行く のがよいのだが、時間的な不安もあって、1001Dで大洲から白滝までは伊予鉄南予バスを利用することにした。大洲では約10分の乗換えだから、バス便が 悪くなったにしては連絡が良い。

白滝からは伊予白滝駅を通って、白滝の遊歩道を登っていく。ちょうど1週間前に「るり 姫祭り」があったらしい。私も15年ほど前に一度いったことがある。この白滝は、実際には長浜廻り50キロ貫歩(幻の)同行編では、わざわざ白滝見物まで 予定していたのだが、この滝の向こうに何があるんだ?という気がしてくる。が、滝見物がてら、どんどん登っていくと、遊具がほとんど撤去されてコンクリー トの滑り台しかない遊園地の向こうには確かに道が続いている。その道を延々と歩いていくと、なんとそこには突然狭いながらも平地が開けてくるのである。だ が、集落はここにはなく、さらに山を登っていった中腹に本郷の集落がある。白滝へと川が落ちていく平地には集落が全くないのである。

三島神社までは本では所要時間1時間となっているが、45分ほどで通過する。昨年の牛ノ峯では本の速度についていけなかっただけに、不安があったのだが、昨今の訓練と7キロ減量のおかげだろうか。

  

左:白滝の街並み、右:滝を越えるとこのような風景が・・・

が、 その先に最大の試練が待っている。要するに、壷神山への登山口が全く判らないのである。判らなければさっさと諦めて、標高約700メートルの滝山近くへ 回って、景色だけを堪能する気でいる。1001Dで確認したところ、伊予市付近では周防大島がはっきりと見え、今日も視界はよさそうだ。そして、問題の壷 神山登山口はというと、全く判らないうえに、標識等も全くない。おまけに、本でも一番肝心な場所の表記がない。目安になるのは送電線だけなのだが、その近 くには登山道が見当たらないのである。強いて言うならば、少々離れたところで、鉄塔の保安用の標識があった。これは、以前松山近郊の淡路ケ峠を登ったとき に経験したのだが、要するに四国電力が鉄塔の保守をするための標識及び登山道である。登山道そのものが送電線に沿っているのならば、登山道というよりも、 鉄塔の保守道といえるかもしれない。

が、全く案内のない中で、そんな賭けをするわけにも行かず、とっとと滝山方面へと 切り替えることにした。が、そのために向かうべき、滝川を隔てたもうひとつの本郷集落へ行こうとしたのだが、地図上にあるような道が全く見当たらない。ど うしようかと思っていると、地図上では破線になっている農道に車の跡がある。そこで、その道を登っていったところ、なんと途中で車の方向転換場所で道が途 切れてしまっている。しかも、その先には滝川を越える谷がある。

ここまでか?と思ったものの、ともかく入れるところまで行こうと、細くなった農道を突っ切ると、谷になっているところには、石橋が架けられていた。なんとか、希望が繋がったところで、本郷の集落への急な農道を駆け上がったのであった。

  

左:壺神山へと続く送電線、右:樫谷からの壺神山への道

あとは、山の中腹にある戒川小学校を通過する。思ったよりもこぎれいな小学校だった。それにしても、この辺りは下須戒とか上須戒とかいう地名があって「戒川」とあるのだが、この「戒」というのは何を示すものだろうか。

樫谷から林道に入ると、ようやく「壷神山」という表示が出てくる。道はコンクリート舗装されており、どうやら車で山頂近くまで行けそうだ。行ってみようかという気もしないではないが、今日無理をしたら、明日の行軍ができなくなる恐れである。

こ こは、無理をせず滝山近くの交差点から串へと向かうつもりである。この滝山は国土地理院の地図では標高729・9メートルの交差点海側のピークをさすが、 地図によっては、交差点と壷神山の間にある960メートル付近のピークをさすものもある。滝山城跡もあって興味深いものがあるが、とにかくここへ来るのが 一苦労だ。で、その交差点であるが、私が進もうとする道は幅員はあるものの草ぼうぼうである。壷神山への道はコンクリート舗装されているのだが、そこから まっすぐ峯今坊へと下る道は意外にしっかりしている。

が、ここからの景色はすごいものがある。遥か松山の街並みから周防大島を超えて山口県の方まで、思わず叫んでしまいそうな景色がそこにある。

  

左:滝山付近からの松山平野、右:滝山付近からの山口方面

そ ういう贅沢な環境にありながらも、時刻は11時50分。ひょっとすると、喜多灘13時35分発の4732Dに間に合うかもしれないなどという考えがもたげ てくる。昼食を早々に切り上げて、早足で下っていく。が、今の標高は約700メートル。どう考えても、簡単にあの下まで降りられそうにもない。

峯 今坊の集落がすでに標高300メートル、それにしても、ものすごいところにある集落である。ここまできても、まだ海岸線ははるか彼方に見える。時間だけが 経つ中で、ただひたすら降りていったため、自分が何処に居るのかが判らなくなってくる。松ノ久保の集落からはZカーブで下ることになる。が、そこがその集 落なのか、はたまたその上にある小さなZカーブなのか自身がない。もし、後者ならば4732Dは絶望になる。が、幸いなことにZカーブはどこまでも続く。 どうやら前者のようだ。

このカーブにやってくると、ようやく海岸線の護岸壁が見えてきた。もう多分間に合うのだろう。そう思うと今度は目的地がどんどん近くなってくる。思ったよりも早く喜多灘駅に着きそうだ。

  

左:ようやく喜多灘が見えてきた、右:喜多灘駅4732D

と いうわけで、喜多灘駅には13時15分には到着した。滝山の交差点から6・6キロ、1時間25分かかったから、平均速度約4・5キロ、急いだようでも余り 速度は上がらなかったようだ。それだけ急傾斜だったということだから、この道を登るのは大変だろう。やはり、次回壷神山に登るのは伊予白滝から田淵川から 豆柳の集落の農道を越えるのが一番近いようだ。また、いつかここにやってくるのだろう。(2007.12.11、写真は全て敢行日撮影)

このページのトップへ >>