鉄分ダイエット編

ランニング編

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 【1】 第9回坊っちゃん一緒にらんランRUN

私がダイエットを始めて2年、大会に出場するために走り始めたのではないが、結局のところその日がやってきた。そのスタートラインに立つまでのいきさつは、この後に序章として書くことにして、まずは忘れないうちに、初レースの模様を書くことにする。

なお、この「坊っちゃんマラソン」とは、正式には「坊っちゃん一緒にらんランRUN」といって、ハーフマラソンと10キロ、そして「イチワリマラソン(4・2195キロ)」の3部門がある。また、3年前には松山市長がハーフマラソンを2時間15分で走ったりもしている。

  

平 成21年11月23日、その日がやってきた。8時20分までに受付、8時20分から開会式、8時50分にハーフマラソン出発、9時05分に10キロ出 発・・・なのだが、私は自転車で会場へ乗り付けたものの、参加者2000人以上、しかも完全手作り大会ということで、多分人手が足りないのであろう。車が 取付道路で渋滞を起こし、国道56号にまであふれている。また、ハーフマラソン出発10分前になっても受付が終わらず、1分前になっいてもトイレに並んで いる人までいる。

スタートゴール地点は陸上競技場ではなく、多目的広場であり、昨日の雨で地面がぬかるんでいる。私の 場合、知り合いに会うこともなく、ひたすらそのときを待つ。職場の先輩から「ランニングの上に捨ててもいいビニール合羽を着る」と言われており、実際さら にその上にウインドブレーカを着ている人も見かけたが、その必要がないほど暖かい。そういえば、インナーフォンをつけている人もいる。しかも、みんな肩あ たりに小物入れを巻いていて、その中に多分ミュージックプレイヤーが入っているのだろう。私は万一のことを考えて腹回りの小物入れベルトを持ってきている から、急きょ携帯電話のミュージックプレイヤーをつけることにした。また、出発前にはスポーツドリンクをちびちびと飲んでいる人も多い。

ハーフマラソンが出発し、10キロ出発10分前になって、いよいよスタートラインに並ぶ。なんともいえない緊張感、どのあたりに並ぼうか、さしあたりスタートダッシュをする気はないから後ろに並ぼうか?

そ して、午前9時05分号砲一発・・・でも、予想どおりすぐには出発できない。30秒ほどしてからスタートラインを越えて、腕時計のストップウォッチを押 す。トラック1周してから外に出るが、右回りかい。しかも、思ったよりも遅く、彼らを抜こうとすると、相当外回りになる。外に出ても、予想に反して、公園 内の取付道路も車道ではなく、歩道を走るから遅い。最初の1キロだから、無理して抜くこともできず、とりあえず流れに乗るしかない・・・が、1キロの表示 が見当たらない。多分取付道路から石手川土手に出るあたりが1キロだったのだろう。

そんなことをするから、であい自転 車橋手前の2キロが10分30秒だったときには、どうしようかと考えたものだ。ともかく、あと1キロは様子を見よう。重信川を渡って、河川管理道の土手上 を一路予讃線まで1・1キロ走って折り返し、であい自転車橋から今度は土手の下にある松山川内自転車道線を再び予讃線の鉄橋下まで行く。その土手上を線路 まで行く途中にある3キロ地点が15分30秒。このただでも狭い土手上に前方から折り返してくるランナーがいるから、追い抜きは難しい。業を煮やした私 は、本来走るべきではない舗装部の外側の草地ぎりぎりのところに出て前のランナーを抜き、前のランナーに追いついて、また同じことを繰り返す。だから、一 定速度で走れないのだが、幸い今のところは体力に余裕がある。目の前を4628Mが通り過ぎる。予讃線手前で折り返して、4キロを20分10秒で通過。よ うやく1キロ5分を切った。

この1キロ5分切りというのは、最後まで不安があった。「ちずまる測地系」で距離を割り出 して練習したものの、その距離は実は短いのではないかという不安が最後まで残っていたのだ。だから、今確かに1キロ4分40秒で走れたというので、なんだ かふっきれた部分もあったと思う。

であい自転車橋を通り過ぎて、今度は松山川内自転車道線沿いに重信川土手下への下り 坂に入るところで、練習どおりスピードを上げて何人ものランナーを抜く。橋の下が給水ポイントだったので、水をもらって飲んだら、急に息が苦しくなった。 練習中でもよくあることなのだが、こんなことならば、10キロ程度なら給水はするべきではないと後悔したものだ。

給水 地点から少し走ったところが中間点の5キロで24分45秒。この1キロも4分35秒、このままならば、(ネットタイム)48分台は可能になってきた。再び 予讃線が近づいてきて、鉄橋をくぐったところの6キロが29分20秒、と思うまもなく、10キロの部はそこで折り返しになっている。

確 かに、この後半になっての折り返しは、気分的に楽になるというのがよく判った。ともかく、先ほどから最初の10キロ走は前のランナーを抜くだけの体験であ る。つくづく、最初のスタートの整列場所に失敗したと思うのだが、なにしろ初めてだから、それは仕方がないことである。で、さきほどから、私の後ろにぴっ たりとつけている影が見え隠れする。多分、3キロあたりのようなスピードの出入りがなくなって、完全に一定速度で走っているから、ペースメーカーにされて いるのであろう。

7キロを33分50秒で通過。ここまでくれば、(ネットタイム)48分切りをめざさなければならない し、グロスタイムでも不可能ではなくなってきた。膝の状態も、内臓の状態(練習中2度あった突如気分が悪くなる現象)も今のところ、今すぐに起こる気配は ない。その7キロを過ぎたところで1キロ以上私をペースメーカーにした影が私を追い抜く。が、なんとそのまま私の前に出たまま速度を落としたのだ。邪魔 だ!とばかりに追い抜き返す。目の前に再び給水ポイントが近づいてくる。今度は給水を両手で「バツ!」としながら通過。そして、いよいよ土手上へと駆け上 がる最初で最後の坂が近づく。

坂を上り、であい自転車橋を渡る途中、そろそろ足が重くなってくる。が、残る距離もまも なく2キロである。8キロを38分10秒で通過。練習ではラスト2キロを9分前後で走れるのだが、よく考えると、この7-8キロの1キロは4分20秒でカ バーしている。我ながら相当速度が上がっていると思ったものだ。石手川の土手に出たところで、「イチワリマラソン」組が視界に入ってくる。ここから松山中 央公園橋までは練習中でも疲れることが多いのだが、今日もなんだかこのあたりからこれ以上のペースアップは難しくなってきている。さすがに、後半のスピー ドアップも限界がきたか?

その松山中央公園橋で公園内の取付道路に入るのだが、その手前に20キロの表示がある。つま り、ハーフの場合は約1・1キロでゴールというわけだから、あと100メートルほどで9キロの表示があるはずなのだが、1キロのときと同様に標識が見当た らない。が、公園内の取付道路に入ったところで、残り1キロを切ったことだけは間違いない。

そこから、往路は気づかな かったが、帰りは相当下っていることに気づく。そこで、猛然とスパートをして数人を一気に抜いていく。だが、その先には「イチワリマラソン」組が歩道いっ ぱいに走っている。最後に来て、再び蛇行走行と非一定速度走行になる。しかも、9キロを過ぎてのラストスパートは少々無謀だったか、いよいよグランドが見 えたところでは、足にガタが来ているのが判った。

この大会の最大の欠点は、沿道に応援がないことだが、スタートゴール 地点にくれば、観客が多い。確かに、応援があれば、それが自分に対してでなくても力になるというのは本当のようだ。最後のトラックに入って、さらに速度を 上げて、数人を追い抜く。そのうちの一人は、私に抜かれるのがいやなのか、残り100メートルほどで猛ダッシュをしていった。が、そこへ来て、急に内臓異 常(気分が悪くなる)が起こる。が、あとは100メートルもない。最後はガッツポーズでゴールイン!ネットタイムは47分00秒、あとでもらった証明書で はグロスタイム47分31秒であったが、それは仕方がないことであろう。

ということで、なんとなく前半バタバタしたこ とで、なんだか短かったような気がして、少々物足りない気がしないでもない。それにしても、前半の24分45秒は遅すぎたのだろうが、後半の22分15秒 は、自分でもびっくり?であった。それと、今日最大の収穫は、今まで練習に使用してきた「ちずまる測地系」が使えることが証明されたことである。

というわけで、その時、何かが終わって、何かが始まったような気がしたのであった。(2009.11.24)

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