(クリックすると拡大します。なお、この航空写真は国土交通省のサイト「国土情報ウェブマッピングシステム(試作版)のご利用に当たっての注意事項」に基づき記載しております。) 宇 和島市から松山市内までのへんろ道コースも、いよいよ総津落合〜三坂峠間の約23キロを残すのみとなった。もっとも、宇和島市から松山市内までが繋がると いうだけで、宇和島駅〜務田間と伊予鉄久米駅〜自宅間が抜けているので、そのうち敢行しようと思っている。前者は年明けくらいに務田から伊予吉田駅方面へ 下って行こうかと考えている。十本松峠が気になるが、ある情報では、三間側で崩落している箇所があるのと、吉田側ではみかん農家に取り込まれてしまってお り、いずれにしてもかなり荒れた道らしい。その場合はさっさと立間の柏木方面へ下って行こうと考えている。また、後者は年内には敢行するつもりでいる。
左:三坂峠、右:三坂峠バイパス久万側 さ て、最後の総津落合〜三坂峠間であるが、バスの都合上逆行程となる。へんろ道は基本的には順打ちコースで回るようにできているから、久万から鴇田峠方面へ のへんろ道が判別できるかどうかの心配はあるが、いずれにしても近くに自動車道が並行しているから、遠回りすることはあっても迷うことはないだろう。 12 月14日(金)は先日の日曜日の代休(但し半日は有給休暇)ということで、格好の出撃日和となった。前回(11月18日ょのコースと同様に9時過ぎに三坂 峠へバスで到着する。気温は1度。かなり寒いが、風がないだけマシだろう。総津落合では久万の大宝寺まで約16キロという表示がある。今回は、久万までの 約7キロ歩いた後に、本番の16キロが始まるということになっている。しかも、その後、前回同様広田方面へ追加のコースがある可能性もある。 三 坂峠は現在峠付近のバイパス工事が進められている。2つのトンネルを掘ることに加え、道路を南斜面に移すことによって、凍結を抑えるということもあるらし い。しかも、設計速度が80キロになっているから、やっぱり徒歩で歩くのは、現道になるらしい。三坂峠から久万までの国道はやはりというか一部歩道がない 部分もあり、なによりも歩道が車道の一方しかなく、しかも右側にあったり左側にあったりして、結構道路を横断させられて危ない。
左:久万から鴇田(ひわだ)峠方面を望む、右:鴇田峠へのへんろ道 今 日は高低差の問題もある。三坂峠バス停の標高706メートルから久万高原町中心部485メートルまで下って、再び約780メートルの鴇田峠を越えて、約 520メートルの二名宮成へ下り、さらに570メートルの下坂場峠を越えた後は、約200メートルの総津落合へと出る。また、前回同様仙波渓谷まで行くと すれば、再び標高約300メートルまで登ることになる。 久万高原町役場を過ぎて、鴇田峠へ向かう道へと右折するが、やはりというか、逆打ちしているためか、私の通った道はへんろ道ではなく、久万高原町役場方面へまっすぐに下るへんろ道があった。よく観察していれば見つけられたのであろうが、まあ仕方がない。 こ の道は途中で工事中となっていたが、へんろ道は工事中の道路の手前から分岐して、いよいよ山道へと入る。なんだか車道よりもへんろ道の方が安心できるよう な気がするくらいだ。逆打ちで回る私に対して、下ってくるおへんろさんの姿を2名ほど見かけた。車道の方は久万の中心部から二名宮成へ最短距離で結ぶ道路 であるのだが、峠付近では舗装されていないから、主要道路ではないらしい。へんろ道の方は標高差を感じることなく、さくさくと峠へと登っていくことができ る。
左:鴇田峠手前のあづまや、右:鴇田峠 鴇 田(ひわだ)峠では峠の名の由来が書かれている。弘法大師が大洲からやってきたときにずっと雨だったのが、ここでようやく晴れたので「日和(ひより)だ」 と言われたのが訛ったのだと書かれている。峠を下る道は結構濡れていて歩きにくかったが、ともかくこれで二名方面へ下れば、あとは基本的に県道を歩くこと になるから、もはや道の心配はなくなる。 が、宮成でへんろ道の表記を見ていると、思ったよりも南側を迂回させられる。 地図を見ると、県道の下坂場峠の南にもうひとつ農道らしき道がある。この道がへんろ道の可能性もあると思いながら、100メートルほど歩いて、はたと気づ いた。本来のへんろ道は下坂場峠ではなく、真弓峠なのである。だから、そのような表記になっていても不思議ではない。慌てて、引き返して下坂場峠へと向か おうとすると、その県道にもへんろ道の表記がある。こちらが副道らしい。 思ったよりも早く下坂場峠に差し掛かる。やは り、このままだと予定よりも1時間程度早く総津落合へ着きそうだ。そこで1時間半いても仕方ないから、結局前回同様北上することになりそうだ。ただ、下坂 場峠からも県道沿いでまなく、まっすぐに下るへんろ道がずっと続いている。いずれの道も整備されていて、なんだか他の道も歩いてみたくなる。が、同じ「四 国のみち」の表記でも、歯長峠から法華津峠への道や松山市高縄山付近の道だったりすると、歩くのをためらってしまう。
左:二名から下坂場峠を越える、右:下坂場峠のへんろ道 旧 小田町の畦々(うねうね)という集落を過ぎ、あとはひたすら県道を下っていくだけである。それにしても、この県道は主要地方道久万中山線で「県道42号」 という立派な名前を与えられているにもかかわらず、これが県道か?と思うようなか細い道がそれこそ「うねうね」と続く。途中で、県外ナンバーでキャンピン グカーのオッサンが追い抜きざまに話しかけて「このあたりに道の駅ってない?あと7キロとあるんだけど。」と聞く。先週も歩いたので場所は判っているので 教えてあげると「乗って行きませんか?」とおっしゃられた。気持ちだけありがたくいただいて、再び歩き始める。 畦々からは内子町営バスが走っているので、バス停が例の如く屋根付きでよく整備されている。このままでは明らかに1時間以上早く到着するので、バス停ごとに休んだりして、結局14時過ぎには総津落合バス停に到着した。 し ばし、バス停で休んでいたが、よく考えると前回よりも早く着いてしまい、前回は落合のトンネル付近ですれ違った小田方面行きのバスさえ通過していない。そ こで、一計を考えた。前回は土曜日だったこともあるが、今日は金曜日である。役場は空いているだろう。だから、公民館の図書室ででも時間をつぶさせていた だこうと思う。
左:終着総津落合バス停、右:今回もバス乗車した仙波渓谷 と 思って公民館へ行ったのだが、中はまるでゴーストタウンのようである。仕方なく広田支所(旧広田村役場)へ行ってみたところ、図書館は閉鎖されてしまって いるという。なんと、旧広田村の人々には本を読む機会さえ奪われてしまったのか。しかも、支所にはだだっ広いフロアに3名ほどが仕事をしているだけであ る。今治市に合併した越智郡の町村はすくなくとも、何処へ行っても図書館はあるぞ、と思っていると、「まあ、バスの時間までソファで休んでいてください」 と新聞を見せていただけた。 が、それも限界があるので、バスの出発30分前には支所を辞して、結局は仙波渓谷まで歩いていったのであった。市町村合併の結末を見たような気がしてならなかった。(2007.12.19、写真は全て敢行日撮影) |