愛媛の「鉄」の紹介 > かずまる特攻隊が行く > 目次 > 同行編6回目 | ||
(以下の撮影日は特に説明がなければ旅行日) 行 程 表 2009.07.19(日) 2009.07.20(月) H21年7月19日(日)甲浦〜日和佐(同行編6回目・その1) (クリックすると拡大します。なお、この画像は「カシミール3D」から転載し、地図画像は「カシミール解説本5万分の1地図」から作成しております。) い よいよ四国一周自転車特攻隊最大の難所がやってきた。その理由は次のとおりである。(1)走行距離は90・1キロと、前回の104・7キロには及ばない が、7月下旬の酷暑の中で走ることができるのか?(2)今回は宿泊地日和佐の前(1日目終盤)に寒葉峠(標高117メートル)、後(2日目最初)に星越峠 (標高146メートル・国道55号最高点)が控えている。(3)今回は夏休みの家族旅行ということで親子3人行軍であるが、果たして妻子の2人をコント ロールできるのか?(4)出発地点は前回同様松山から見て四国の反対側の甲浦であり、自転車行軍場所までの距離が前回同様長い。 しかも、そのような悪条件に更に追い討ちをかける事態が起こった。当初今年の梅雨は早く明けると言われていたのだが、7月20日になっても明けようとしない。前回、前々回同様に雨の心配までしなければならなくなった。
(左:田井ノ浜臨時駅、右:牟岐線海部駅特急むろと) 前2 回の行軍に比べると、今回は多少雨に濡れようと風邪をひくことはないだろうし、むしろ暑さをしのぐことができてよいだろうと、強行する構えでいた。ところ が、前日午前11時の天気予報では、なんと梅雨前線が四国地方を通過、停滞するという。梅雨の末期には雷雨や集中豪雨が予想され、さすがに厳しい。一時は 延期の言葉も出たほどであったが、幸い前日午後5時の予報では、1日目が晴後曇、夜雨、2日目が雨後時々曇に多少緩和された。これでは1日目出発段階では 天気が良いわけだから、出発せざる得ない。2日目はその時考えることにしよう。というわけで、予定どおり、7月19日に出発したのであった。 さ て、昨年、一昨年は夏の親子旅行は北海道へ2年続けて行ったわけだが、今回はそれから言えば、かなり節約旅行になっている。しかも、今回はJR四国「四国 ペアきっぷ」という、今年9月の5連休まで、土曜休祝日の任意の2日間に大人2人ならば1万2000円、小学生と親ならば6,880円(追加の場合は、大 人6,000円、子供880円だが、子供の場合は夏休み期間中は曜日等の制限がなくなる。)という冗談みたいな切符が利用できたのである。だから、今回は 親子3人で1万2880円、なんと前回の私1人分の四国フリーきっぷ(1万5750円)よりもはるかに安いではないか。だが、この切符は出発当日購入がで きない。だから、前日購入直後の天気予報に一喜一憂したのである。 松山 から甲浦までの所要時間は約6時間40分、我々はともかく妻がなんと言うかと思っていたが、我々の強行軍に覚悟をしていたのか、あきれていたのか、特に何 を言われることもなく、無事甲浦に到着した。ただ、池谷を過ぎたあたりから、雨がぽつりぽつりしている。雨雲レーダーでは、まだ大きな雲はないから、そう 大雨になることはないのだろう。そう思っていたのだが、当の雲がどうもゆっくり南下してきている。だから、乗車中ずっと雨が降る、という事態になってい た。田井ノ浜臨時駅に停車したのは初めてだったが、ここでも雨が降っていた。が、海水浴客は雨なぞ我関せずのようであった。 そ して、甲浦では、前回以上に出発準備がかかって(自転車が1台多いのであたりまえだ。)ようやく12時を過ぎたところで出発する。とたんに、前回同様「コ ケコッコー」の声が聞こえる。なんとものどかである。が、なんと徳島北部からずっと南下を続けてきた雲が、ついに我々を捕らえてしまった。雨雲レーダーを 見る限り、大雨になることはないし、むしろ涼しく感じられるのだが、髪の毛だけは濡れないように防御して、再出発する。
(左:阿佐海岸鉄道の車内、右:甲浦駅) 甲 浦からは、旧道を走って国道へ出る。国道の方は甲浦大橋からまっすぐに徳島県との県境にある水床トンネルへと伸びている。その橋がかなり高いところに見え る。最終的には、あの場所まで登っていくのだが、それにしても、甲浦の集落は思ったよりも大きく、なかなか街を抜けることができない。それでも、なんとか 坂を登っていって、国道55号へ合流。その合流したところが水床トンネルで、ここが高知県と徳島県の境となっている。12時20分に県境を通過。国道 381号でJR真土〜西ヶ方にある愛媛県と高知県の境から、実に距離約256キロ、移動時間約26時間30分かけての徳島入りである。幸い雨は強くなる様 子はない。 さて、親子3人の行軍は予想されたとおりであった。これまで も、特に歩道(くどいようだが、かずまるは歩道が走れる。私は、かずまるの指導という立場と、道路の状況によって・・・というくだりを勝手に適用して歩行 者に注意して通行することになる。)のないところでは、かずまるを先に走らせ、その位置から少し車道に入ったところを後方確認しながらの走行をしている。 このジグザグ2列走行でかずまるの保護をしている。ところが、今回3人での行軍になると、これが難しくなる。なんといっても、予想されたことではあるが、 かずまるよりも妻の方が速度が遅いから、ついてこれない。従って、だんだんと隊列が長くなっていくのだが、そうは言っても、どっちを守るかと言われれば、 やはりかずまるの方を優先せざる得ない。 だから、前回まで、後方の様子 を見る場合は、本当に後方の車の察知をすればよいだけだったのが、今回はかなり後ろを向かないと確認できない。これが、予想以上に精神的負担になった。な にしろ、たとえば、今治〜松山間を自転車で走った場合、単独ならば2時間20分程度で走れるが、同行ならば4時間半から5時間かかる。この場合の疲労は、 決して走行距離約44キロではなく、走行時間も影響すると思う。 今日の行軍は、甲浦〜日和佐の約38・8キロである。少々遅れたところで特に問題はないのだが、牟岐を過ぎて、残り15キロは標高117メートルの寒葉峠、さらに一度71メートルまで下った後、再び約100メートルの日和佐トンネルを越える。
(左:県境にある水床トンネル、右:阿波海南駅北側) そ の牟岐までの間にも、小さいアップダウンが控えている。水床トンネルを過ぎて宍喰を過ぎると標高29メートルの峠、さらに海部の手前にも標高31メートル の峠がある。ここの峠の途中にはテニスコートと休憩所があったので、しばし休む。海部駅は下り坂の途中にあるので無視し、次の阿波海南駅前には、さきほど かずまるがコンビニを見つけていたらしく、そこで休憩したいという。そこを過ぎると、再び標高24メートルの峠が待っている。 そ のように小刻みに峠があるのだが、幸か不幸か雨の影響で思ったよりも気温が低かったため、予定どおりのペースで進むことができている。というよりも、あら かじめ酷暑での行軍を想定して、前回までの行軍よりも予定速度を落としているのが幸いしているらしい。だが、もし炎天下だったらどういうことになったのか という気がしないでもない。 さらに、鯖瀬駅付近にも標高20メートルほ どの峠があって、それを過ぎると内妻大橋にかかる。歩道に数名サーフボードを抱えた人がいるので、ふと海を眺めると、ずらりとサーファーが海の中で浪を 待っているのに驚かされる。そこを過ぎると、標高30メートルの八坂トンネルへの坂を上る。トンネルの向こうは牟岐の街があるはずだ。いよいよ、日和佐ま での寒葉峠が近づいてきた。 予定よりも約20分早い15時05分に牟岐 南にあるコンビニを出発する。当初は前回同様チューブ式のアイスでのカロリー摂取を考えていたのだが、今日の場合は冷凍のジュースが有効なようである。コ ンビニの車は関西ナンバーが多い。やはり、徳島市からアンテナを上げれば直接大阪の電波が届くように、関西からも徳島へのアプローチが多いようである。そ して、まもなく牟岐駅前を通過する。 この寒葉(かんば)峠は、牟岐駅前 から6・7キロで117メートル登るのであるが、最初の1・8キロでは5メートルほどしか登らない。つまり、5キロ弱で約110メートルを登る予定であ る。だから、最悪歩いて登っても時間的にはしれている。しかも、辺川駅付近までは上り勾配はたいしたことはない。だから、問題は残り2・7キロほどであ る。だが、この道は国道55号でありながら、歩道がない。しかも、路側帯には結構草が茂っていて歩きづらい。車の恐怖の中、約30分ほど早く、寒葉峠を通 過する。しかも、次の峠である日和佐トンネルも思ったよりも上り坂が少なく、日和佐駅裏にあるコンビニへ到着したのは、予定よりも35分早い17時05分 であった。(2009.07.26) |