かずまる特攻隊番外編・四国一周自転車特攻隊

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(以下の撮影日は特に説明がなければ旅行日)

行 程 表

2009.08.28(金)
松山719(1008M)930坂出

2009.08.29(土)
徳島13323016D)1434高松14501019M)1724松山

H21年8月28日(金)坂出〜三本松(逆行・同行編7回目・その1)

  

(クリックすると拡大します。なお、この画像は「カシミール3D」から転載し、地図画像は「カシミール解説本5万分の1地図」から作成しております。)

いよいよ同行編7回目は徳島県から香川県へ、太平洋側から瀬戸内海側へと舞台を移すことになる。だが、このシリーズにつきまとう雨の影が再び忍び寄ってきたのであった。

当 初から宿泊中の8月28日(金)夜に低気圧が通過すると予想されていたのだが、最悪1日目の午後には降り始め、2日目の午前中いっぱい雨が残るという状態 となったのである。が、少々の雨ならば、むしろ気温が低くてよいというのは、前回の行軍が証明している。というわけで、今回も完全防備の状態で出撃を決め たのであった。

  

(左:坂出駅前、右:鬼無〜端岡間)

出 発は8月28日(金)の8M+1008M、よく考えると、当日は平日であり、平成15年4月から3年間通勤に利用した列車でもあった。だから、その列車の 混雑はよく知っている。だが、あれから4年がたち、禁煙車両が2両から4両になったから、その分混雑が分散されたせいか、3号車に関しては混雑はしている ものの(というより、我々の隣以外は全て着席していたものの)、立客まではでなかったようである。あと、知らぬ間に2号車だけでなく、5号車にも喫煙ルー ムが設置されていた。

同行編も7回目に来て、何が一番楽かといっても、 乗り継ぎがないことである。1008Mは9時30分に坂出到着。所要時間だけでいえば2回目の方が短かったのだろうが、今回は9時30分到着である。坂出 駅も高架駅ではあるが、エレベータが設置されている。かずまるに「エレベータはどこだ!」などと言いながら、めんどくさいからそのまま自転車2台をかかえ て改札口まで階段を下りていく。自転車を解体するのも前回より1台少ないから早い。私の自転車をセットしている間に、地元のおばさんが話しかけてくる。こ れもいつもの風景になった。その間、かずまるはどういう仕組みかは判らないが、時間がくると地面から水蒸気のようなものが吹き上げる仕掛けの駅前広場で自 転車を走らせている。無駄な体力を使うべきではないが、あれがなくなったらかずまるらしさもなくなるのだろうから、放っておく。

9時55分には坂出を出発する。以前はマリンライナーで乗換中、駅員さんにたのんで(規則では途中下車不可能)駅前のコンビニでの買い物をさせてもらったものだが、今はそのコンビニもなくなっている。

雨雲レーダでは、午前5時半現在で、すでに山口県まで雲がかかっているため、昼を過ぎればいつ雨が降っても仕方ない。ともかく後ろから雲が迫ってくる以上、先に進むしかない。ただ、幸い追い風が吹いているようである。

  

(左:鬼無〜端岡間、右:高松市郷東町のうどん店)

坂 出駅から旧国道11号(現県道高松善通寺線)へ出るまでは、JR高架などのいろいろな理由もあって、道路が複雑に絡み合っている。が、それを過ぎると、一 気に八十場駅へと出る。このあたりはさすがに列車の往来が多い。多少うらやましいとも思う。そして、讃岐府中駅の先のだらだらと登る道を越えたところにあ るコンビニで飲料水の確保をする。前回同様、今回も水分補給は絶対要件である。かずまるは室戸岬付近の自動販売機さえない地域のことが未だに木になるらし いが、今日はそんなことはない。ただ、少しでも冷たい飲み物を少量ずつ飲ませる必要がある。だから、さっそく冷凍飲料水と冷たい飲料水を購入し、出発す る。

今回は、坂出〜徳島という出発地点が中途半端なことになっているが、全行程の距離や後の行程のことを考えると仕方ないところもある。高松出発では距離が短すぎる。だが、よく考えると、坂出〜高松間は約20キロほどある。つまり、意外に距離があるということでもある。

それでも、追い風に乗って、暑いながらも難なく高松の市街地へと入ってきた。その市街地の入口ともいえる場所にあるコンビニで休憩する。こういう時期のコンビニは単に休憩だけではなく、トイレ休憩もあれば、体そのものを冷やす効果もある。

が、 私はもうひとつたくらみがあった。コンビニの雑誌でさぬきうどんの店を探そうと考えていたのである。ちょうど時刻は11時20分頃、このあたりに店があれ ばちょうどいい時間帯なのだが、と思っていると、なんとこのコンビニのほぼ裏手に1件の米穀店を兼務する製麺所があるではないか。少々逆戻りするが、かず まるも乗り気で、その店へと向かう。

かつて「うまひゃひゃ、さぬきうど ん」という本を読んだときに、米とうどんという日本の二大文化を牛耳るとは・・・という意味のことが書いてあったが、実際米穀店と製麺所を兼ねているとこ ろは多いらしい。ちょうど店も開いていて、先客も2人だけだったので、そのまま入る。店はあまり広くはなく、現在4人いるが、8人は苦しいかもしれない。 かずまるは小(180円)、私は大のうどん(270円)を注文する。汁付のうどんではあったが、これが本物の麺なのであろう。なにしろ、麺が切れない。か ずまるがそのうち顎がだるくなったと言う。が、ひとつ難を言えば、ご主人があまり愛想がよくない。まあ、愛想はなくとも、味がよければ文句は言うつもりは ない。

  

(左右:高松市中心部)

というわけで、自転車特攻隊初めての昼食の店で、予想外の時間をとったものの、今のところはまだ予定時刻よりも15分ほど早い11時40分。やはり追い風サマサマである。

が、 なかなか世の中そうは甘くない。風は追っているが、一向に曇る気配がない。だんだんと暑くなってくる。直射日光に当たれば、そりゃ今の時期は暑いに決まっ ている。市役所前の国道11号交差点のバス停でついにかずまるが最初のダウンを奪われてしまった。確かに21キロを過ぎたところであり、よくあるパターン ではある。

が、その間に雨雲レーダを確認したら、な、なんと!雲がなく なっている。日本列島には確かに前線がかかっているのだが、瀬戸内式気候とはよく言ったものだ。と感心する暇はない。今後は暑さ対策のほうが重要になって 来た。予定時刻を過ぎた12時10分になったところで、むりやりかずまるをたたき起こして出発する。これで、完全に余裕時間を使い果たしてしまった。が、 今日のところは宿に向かうだけだから、宿につくのが遅れるだけである。そう思って、ゆっくりと進み始める。

暑いのはどうすることもできないのだが、せめて気を紛らわそうと思って、橋の上でかずまるに歴史の勉強がてらに屋島の話などをしたのだが、かずまるは屋島を島だと思っていたらしい。あれが屋島だというと、がっかりしたなどと訳のわからんことをいい始める。

た だ、幸いなことにこの付近はコンビニが多い。そこで体を冷やす目的だけで立ち寄る。それだけでは申し訳ないから、1軒あたり100円とか200円とかいう レシートの山ができてしまっている。だが、琴電古高松駅近くのコンビニに到着したときには、26・9キロ、つまり、ようやく中間点を過ぎたことになる。

  

(左:春日川、右:春日川からの屋島)

こ こで高松周辺の交通事情の感想を述べたいと思う。車の歩道への出てくる状態は、徳島と似ている。だから、歩行者(ほとんどが自転車通行可だから自転車も同 様)にとっては安全である。このあたり、徳島、香川と愛媛、高知で完全に運転マナーが分かれる。一方、徳島といえば、例の信号問題と絶対に譲らない精神が 基本である(だから、愛媛ナンバーが徳島に行ったら危ない)。香川県の運転マナーは信号はともかくとして、以前から自分の方に優先権があろうとなかろうと 早い者勝ちという考え方がある。だが、これらは四国内どこでも見られるものであって、そうすると、信号の問題を除けば、現在の運転マナーは徳島よりも愛媛 (高知も同様)の方が遥かに悪いと言わざる得ない。

では、なぜここでそ の話を持ち出したかというと、香川県にはバリアフリーという言葉が県民性としてないのか?と疑うときがある。現在はどのように改良されているのか確認して いないが(今も当時と同様だったらバカだ)、例えば、私は身障手帳は所持してないが、膝関節症で和式トイレには座れない。だからあえてそのような者が利用 できるトイレを多目的トイレと言っているが、それらを整備はやる気が全くないと思われた。特に宇多津のゴールドタワーやガラス館など二度と来るか!と思っ たものだ。高松駅は改良されたが、丸亀、宇多津、坂出は改良時点では多目的トイレがなかった(繰り返すが、今も当時と同様だったらバカだ)。

そ して、さきほどの市役所前交差点では歩行者、自転車は有無を言わせず、地下道を通過させる。しかも、エレベータはあるが、歩行者は乗れても自転車は乗れな い。そういう交通体系の街を最悪の非バリアフリーという。そして、JR屋島駅の北、琴電古高松駅の南にある県道36号(多分旧11号との交差点)では、直 進するためには一度かなり左折して進んで、なんとそこから陸橋を登っていかなければならないのである。これを最低最悪の街づくりと言わず、なんと言うのか と思った。まあ、我々はそこであきらめて、旧国道を走ったわけだが、ここに限らず、香川県の道路は、国道を直進しようと思っても、交差点でかなり迂回を余 儀なくされることが多い。このあたり、結果論として、どこへ行っても、自転車では四国一周をしたくないないなあ、という気持ちだけが残る自転車特攻隊であ るようだ。

  

(左:春日川からの琴平電鉄、右:天野峠)

さ て、志度を過ぎると、いよいよ今回のメインイベントともいえる坂が待っている。前回まで「まもなく志度に着きます」というJRのアナウンスたびに「ここは オーストラリアか?(シドニー)」というギャグをとばしたところである。今回は前回ほどの大きな坂はないが、標高40〜50メートルという中途半端な坂が 今日4回、明日は標高60メートルクラスの峠が1箇所だけ控えている。1箇所目は国分駅付近の坂であったのだが、これから標高48メートルの天野峠、標高 40メートルの羽立峠を立て続けに越えていく。地図を見る限り、多分これらはかつての瀬戸内海の島だったのだろうと思われる。

こ の2箇所目となる天野峠を見てあぜんとすることになったのである。標高の割には結構本格的な坂で、しかも、山の裏手まで上り坂が続いている。一方、JRは この区間どこを走っているかといえば、志度からぐるりと南(オレンジタウン、造田方面)へ迂回している。線路沿いに走ったほうが坂が1回ですむような気が して、何度も検討したが、結局は国道を走ることにしたのであった。幸い、坂の途中にコンビニがあったので、そこで少々余分に体を冷やさせてもらい、坂に挑 戦する。が、自転車から降りれば、所詮はコンビニからなら800メートルほどしかない坂であり、なんとか先が見えてくる。その峠手前でかずまるが2度目の ダウン。

やっとの思いで、天野峠を下っていくが、まもなく次の羽立峠が 待っている。この峠は「はりゅう」峠と読むらしい。こちらの峠は、一旦自転車から降りてしまえば、標高40メートルと、先ほどよりも低いだけに、そんなに 苦痛ではない。だが、この大幹線道路に歩道(自転車通行可とはなっている)が片側しかない。だから、さきほどから道路を幾度となく横断させられている。四 国にはこういう道路が多い。歩道が車道の反対側に変更されたところには横断歩道があるにはある。だが、そんなところで(道路交通法違反とはいえ)停車する 車なぞ、ついに一度も見たことはない。高知県においては、横断歩道で手をあげている我々に対してクラクションを鳴らしてきた車さえあった。

さ て、この羽立峠に頂上部には「羽立峠休憩所」なるものがあって、道路標識もある。が、一体何があるのかといえば、駐車場と屋根のついた、まさに休憩所があ るだけでトイレさえない。が、しばしここで休む。というよりも、室戸岬行軍でそうだったように、かずまるの腰を揉まされる。峠到着は14時20分頃、実は この時点で峠発時刻よりも実に1時間03分早着となっていたのである。やはり、暑いとはいえ、多少は薄雲のおかげがあるかもしれないし、追い風も大きい し、コンビニ巡りで多少からだが冷やされているというのもあるのかもしれない。ここで、今日の宿に多少早く到着する旨の連絡を入れ、ここで約15分ほど休 み、35分ほど早く出発する。

  

(左:天野峠、右:羽立峠)

この羽立峠を下ったところにあるコンビニで再び休憩。今度はチューブ状アイスを買って、そこで食べながら体を冷やす。だから、前回もそうだったが、やたら100円とか200円くらいのコンビニのレシートがたまっていくのであった。

さ らに、そこから2キロほど行ったところにある、県立公園(国土地理院の地図では「道の駅」となっている)にも立ち寄る。このままでは4時半頃に宿について しまいそうだし、明日のことを考えたら、ゆっくり行く方針に切り替えた。牟礼のあたりにも道の駅があったのだが、これらの施設では体を冷やそうと施設内に 入れば、なんとなく食事を取らなければならないような状況になっている。

だ から、単に体を冷やすだけならばコンビニに入るのに限る。だが、コンビニではトイレで水を浴びるわけにはいかない。いきおい道の駅などの施設のトイレを借 りることになる。ここの洗面所でついでに顔を洗って、更に頭にも水をかぶることになる。これらの使い分けができるのも、実はかずまるとの2人旅だからで、 前回のような妻同伴ではなかなかそうは行かなかったものである。ちなみに、牟礼の道の駅ではトイレの入口の日陰部分が涼しく、讃岐津田では、多少気温は高 いものの、何時旬レストランかと間違うような机と椅子のある休憩施設があったので助かった。

こ のように、今回は珍しく、予定時刻よりも相当早いペースで走ることができていたわけであるが、なかなかそうは行かないのが我々かずまる特攻隊である。そし て、かずまる3度目のダウンの時がやってきたのであった。かずまるに何が起こったかは次のページへどうぞ。(2009.09.02)

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