かずまる特攻隊番外編・四国一周自転車特攻隊

愛媛の「鉄」の紹介 > かずまる特攻隊が行く > 目次 > 同行編7回目

<< その1へ戻る  その3へ行く >>

     

(以下の撮影日は特に説明がなければ旅行日)

H21年8月28日(金)〜29日(土)坂出〜三本松〜徳島(逆行・同行編7回目・その2)

  

(クリックすると拡大します。なお、この画像は「カシミール3D」から転載し、地図画像は「カシミール解説本5万分の1地図」から作成しております。)

自 転車特攻隊をしていて思うことは、自転車の敵は坂ではなくて風だということである。過去の行程でも特に前々回の室戸までの逆風は予定時刻よりも40分以上 遅らせた。翌日は追い風だったにしても、やはり前日の疲れがあってか、最後までほぼ予定時刻で推移した。なんといっても、同行編1回目では、全行程54・ 0キロで約150メートル下っていたにもかかわらず、強烈な向かい風に阻まれて、予定よりも1便遅らせることになった。

だが、今回は最後まで風向きを確認し、どちらからでも走れるようなプランを組んだ。実際には常に追い風と言うわけではなく、大体左からの風が多かったのであるが、むしろ追い風よりは風で体が冷やされる感じで予定よりも約30分ほど早く鶴羽駅へと向かっていたのであった。

  

(左:羽立峠、右:琴林公園)

が、 ここでアクシデント発生。左下の画像にあるとおり、この看板をかずまるが幟と勘違いしたらしく、突っ込んでいったものだから、そのまま転倒してしまったの であった。幸い、膝と指に擦り傷ができただけですんだのであったが、最悪ここで全てが終わってしまうところであった。

が、私も準備をしていたもので、本当は汗拭き用のペーパータオルで消毒代わりに傷口を拭いて、国分駅付近のコンビニで購入した絆創膏を貼って、さらに外れた自転車のチェーンはあらかじめ持参してきた軍手で対処して、かずまるの痛みが治まるの待つ。

だが、待つといっても、ここでずっと待つわけにはいかないので、ある程度痛みが引いたらしいところで、ゆっくりと出発する。幸い、絆創膏で傷口が引っ張られるだけのようである。とりあえず、絆創膏は止血用として、止血後はむしろ乾かしたほうがいいだろう。

そ うして、とりあえず行軍を中断しなければならないような事態とはならないようなので、だましだまし進んでいく。まもなく、本日最後の坂が待っている。と いっても、最高点が標高29メートルで、しかもJRを越えてからしばらくだらだらと登るようで、最大斜度も1・1%程度である。しかも、まだ時間的余裕が あるので、無理せず途中から自転車を降りる。だが、この坂の途中でも歩道の関係で2度ほど道路を横断させられた。

そ の坂の頂上には、「うましの休憩所」がある。「うましの」とは、このあたりの地名であって「東かがわ市馬篠」という。今度はトイレはあるが、駐車場がある だけで、休むところは全くない。が、考えてみれば、車からしてみれば、屋根付の休憩所があるよりも、トイレがあったほうが便利に違いない。第一、今の時期 なぞは、確かに屋根付の休憩所よりも車の中の方が涼しいに決まっている。というわけで、トイレは結構盛況であった。

  

(左:かずまる転倒、右:三本松〜丹生間5020D)

こ こで改めてあたりを眺めると、日中に比べて雲がかかってきている。どうりで、ここへ来てかずまるがここへきてのどが渇いたと言わなくなったものだ。ただ、 なんとなく雨が降っているような気がしないでもないので、レーダで確認したところ、確かに東かがわ市付近の県境に雨雲がかかってきているのがわかる。明朝 は雨の予報となっている。現在のところでは、昼前にはあがることになっているが、前回はこのような天気予報に翻弄されたものである。今回はどうなるのか判 らないが、どのような天気になっても、土砂降りが続かない限り、中断するようなことにもならないだろうとは思っている。

休 憩所を過ぎると、下り道となって、今日の最終目的地となる三本松の隣駅である丹生駅を過ぎる。ここは東かがわ市であるが、元々が大内町(中心駅三本松)、 白鳥町(中心駅讃岐白鳥)、引田町(中心駅引田)の3町合併だから、三本松とはいえ、駅前商店街はあんまり期待できそうにもない。旧白鳥町出身の友人によ ると、昭和の時代から合併話はあったらしいが、真ん中にある白鳥町が一番規模が小さいから、大内町と引田町で市役所の取り合いになって、いつもご破算に なってきたらしい。結局平成の合併では旧白鳥町に市役所が設置された。

三 本松駅前にはコンビニはあるらしいが、できれば薬局もあってほしい。ただ、薬局はあっても医療機関の調剤薬局では意味がない。丹生駅から三本松駅までの間 は思ったよりも距離があったのだが、結局コンビニまでの間に薬局は見当たらなかった。仕方がないので、コンビニで応急用の大き目の絆創膏を買う。

そ の後は、三本松駅にアンパンマンスタンプラリーをするために寄っていく。自転車で寄っていくのもどうかとは思うが、我々は四国全線乗車できる切符を持って いるから問題はあるまい。もっとも、三本松駅のスタンプは待合室内にあるのではあるが。この三本松駅は、かつては1日に1往復は通過する列車があった。と いうより、高松〜徳島間ノンストップの急行列車が会ったのである。だが、予讃線同様にいつのまにか、速達よりも沿線乗客輸送にシフトしてきたのか、三本松 はもちろんのこと、高徳線もずいぶん特急が停車するようになったと思う。

  

(左:三本松駅、右:宿泊地冨の家)

そうして、宿の到着は予定よりも約40分早い16時40分頃であった。この宿はもちろん旅館ではあるが、地方の宿泊施設の多くがそうであるとおり、この宿は食事処としての位置づけももっている。だから、かずまる曰く、ここの料理は大変美味だったという。

当 初は(そうなったら、実際には予定より遅れることになるのだが)宿の到着を18時頃としていたのを羽立峠で17時までには到着予定と訂正の電話を入れてい た。結局アクシデントはあったが、16時40分頃には到着したわけであるが、とにかく我々は風呂に入りたいので、早速入らせてもらう。ネット予約では今夜 は満室になっているが、当然ながら、こんな時間に宿に到着する客はそうそういないだろうから、我々専用風呂となる。そうして、風呂から出て、夕食もまた当 然ながら午後6時からだろうから、時間があるなあ、それまで寝てようか?などと考えていたら、これまた、幸いなことに、5時半頃になって、「食事ができま したが、食べますか」という電話が入ってきた。もちろん異論はなく、予想よりも早く、夕食にありつけた。ただ、唯一の失敗は、この宿が実は食事処だから、 ビールは瓶ではなく、グラスにするべきだったのかもしれない。部屋へ帰るときに樽のポスターを見て気づいたのだがもう遅い。

と もあれ、普通に考えると、かずまるとはこれで4泊目(うち親子3人が1泊)となるが、自転車特攻隊で宿に泊まるのはこれが最後になる。最後は私の実家であ る今治となるだろうから、こういう経験も最後になるのだろうか、それとも、四国一周が終わったあとは、別の行軍が始まるのだろうか?そんなことを考えてい たら、前回までよりも寝るのが遅くなったようであった。

そして、翌朝に なって、おそるおそる雨雲レーダを見る。なんと雲がない。念のため、徳島の177にかけてみると、徳島県北部は「曇、昼前後にかけて雨」という予報になっ ている。後段が少々気になるが、今日も暑さ対策の方が優先される事態となった。当初は朝が雨だという想定して、2人とも昨夜着た寝巻き代わりのTシャツで そのまま出発し、雨が上がったところで着替えることにしていたのであるが、これまた予想が完全に外れてしまった。

  

(左右:東かがわ市湊のコンビニ)

か ずまるがなかなか起きないのだが、7時5分前にたたき起こして、朝食をとりに行く。室戸では6時40分に朝食をとりに行ったから、どう見ても20分の遅れ である。実際宿を出たのは約8分遅れであった。しかも、当初の予定であった雨どころか、暑くなりそうなので、旧白鳥町にはいったところにあるコンビニに 寄ったり、讃岐白鳥駅で撮影をしたりしたため、さらに遅れる。なお、今さらたいした問題ではないが、昨日薬局がなかった理由は、2日目に走り始めてまもな く愛媛県でもよく見る量販店を見つけたから、そういうことで他に薬局を見つけることができなかったのだと思う。

さ て、今日の懸案といえば、当初予定していた雨が降らないとなれば、むしろ暑さ対策である。前述のとおり、我々は2人とも前夜の寝巻き代わりのTシャツでい る。これで頭部を保護しながらとりあえず雨をしのいで、雨が上がった後に服を着替えるつもりでいる。が、実際には朝は雨が降らないが、昼前にはにわか雨が 降るという予報となっている。それでは、最初からこの服を着替えるわけにもいかない。私の場合は昨日も雨にたたられることを想定して、もう1枚余分にT シャツを持ってきているが(だから荷物が余分に重たい)、かずまるのことを考えると、そうもいかないから、そのまま走っている。

そ して、いよいよ香川県の最東端、旧引田町までやってきた。引田の更に東の県境から徳島へと伸びる県道1号は、かつて宮脇俊三氏の「時刻表2万キロ」にも出 できた、徳島大学恒例の「讃岐相生〜徳島間約40キロ貫歩」の出発地点である。私も一度走って痛い目にあったから、相当な思い入れがある。

その県道1号であるが、香川県の讃岐相生から徳島県の阿波大宮までの峠を九十九折で上っていき、高徳線はその道に沿って、いくつものトンネルで抜けていく。ただ、我々が走る国道11号は鳴門方面へと大きく迂回しているのである。

  

(左:讃岐白鳥駅、右:讃岐相生南の香川県最東のコンビニ)

その引田を過ぎれば、鳴門市にある国道11号バイパスまで2時間以上コンビニがない。そのため、引田にある氷のペットボトルを2個買ったのだが、さらに香川県最後の集落を過ぎたところにもうひとつコンビニを見つけたため。もう1本購入する。

そのときちょうど前回、前々回乗車した3003Dが通り過ぎていく。あわててカメラを取り出したが、間に合わず、その行く方向へとカメラを向けたが、二度と3003Dは姿を現すことはなかった。それが、左下の画像である。

そ して、いよいよ香川県から徳島県へと入る。この時点では予定よりも約10分ほど遅れている。道路も思ったよりもよくないまま、本当に歩道のないトンネルを 抜けて、県境を通り過ぎる。徳島県へ入ったら、道そのものは改良されたらしく、トンネルが新たに掘られたようなところもあって道はよくなる。

が、 護岸側の歩道は漁具が辺りかまわず置かれていて、自転車通行可とあっても、とてもじゃないが走ることができない。このため、仕方なく右側の歩道(くどいよ うだが一応自転車通行可、というよりかずまるは13歳未満だからそうでなくても通行可能、私はかずまるを指導する意味及び道路事情を考慮したうえでは、警 察当局に排除されない限り特例に該当すると考えられる)を走る。いずれにしても、海際の道路では、国道196号菊間でもよく見られるが、道路を個人が勝手 に占拠している風景をよく見る。

が、まだ時刻は朝の9時台である。北に 海、南に山の状況では、太陽が山陰に隠れる場所が多い。そのため、結構涼しく感じられながらの走行ができる。これは逆の意味での誤算であった。やはり、早 起きは三文の徳であろうか。(もっとも同じ意味で「早起きの鳥は餌を見つけた」という趣旨の諺もあるが、そうしたら、餌となった虫は、早起きしたばっかり に三文の徳どころか命を落とすことになるのだが、それをいうと話がややこしくなるのでそれ以上は言わない。)

  

(左:大坂峠方面、右:香川県と徳島県の境)

今 日の行程は、さきほどの旧引田町最東端から2時間以上コンビニがないコースであるのだが、その中で1箇所だけ、休憩地点となるべきところがある。それが鳴 門市北灘のふれあい広場である。といっても、どこにでもある駐車場とせいぜいゲートボールができるほどの広場であるが、ここにはトイレがあって、昨日同様 顔のみならず頭から水を浴びる。また、護岸壁との間には木が茂っていて、かずまるはその日陰でしばし寝転んだりしている。

が、 気持ちはわかるが、この時点で今朝からの行程は20・3キロ、今日の行程は43・5キロだから、微妙に中間点へ達していない。私としては、できれば気分的 に早く中間点を過ぎたいと思うし、第一これ以上時間が経過したら、太陽が高い位置に移動してしまうから、さきほどまでの山陰で直射日光を防ぐことができな くなるし、予定通過時刻も迫っている。というわけで、かずまるをせかして、予定よりも3分遅れの10時10分に出発する。(2009.09.03)

<< その1へ戻る  このページのトップへ  その3へ行く >>