かずまる特攻隊番外編・四国一周自転車特攻隊

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(以下の撮影日は特に説明がなければ旅行日)

H21年8月29日(土)三本松〜徳島(逆行・同行編7回目・その3)

  

(クリックすると拡大します。なお、この画像は「カシミール3D」から転載し、地図画像は「カシミール解説本5万分の1地図」から作成しております。)

下 の画像が、先ほどの鳴門市北灘のふれあい広場である。かずまるがこれ幸いに横になっているのもわからないでもないが、できれば午前中にできるだけ早く移動 しておきたい。なにしろ、この先、国道11号鳴門バイパスでは標高約60メートルまで登るという、今回最大の坂が待ち構えているのである。

と いうわけで、かずまるをせかせて、予定時刻よりも3分遅れの10時10分に出発したのであるが、やはりだんだんと太陽が昇っていって、日差しをさえぎって くれる場所が少なくなっていく。が、逆に北側に海、南側に山という構図にもいよいよ終わりが迫ってきている。これから2段坂が待ち構えているのである。

  

(左右:鳴門市北灘のふれあい広場公園)

瀬戸内海側に別れを告げ、いよいよ国道11号は徳島へと南下を始める。そういえば、かつて愛媛の人に国道11号の区間はと聞けば「松山〜高松」、大学時代に徳島の人に同様のことを聞くと「徳島〜高松」という答えが非常に多く帰ってきた。正解は「徳島〜高松〜松山」である。

まず、最初の坂は、標高25メートルほどなので、なんなく登れると考えていたのだが、すでにかずまるは限界に来ているようで、休憩がはいる。その後一度下った後、いよいよ国道11号鳴門バイパスへはいるのだが、そこからがいきなり標高60メートルまで登る坂となっている。

しかも、そのような坂ならば、最初から自転車を押して登るように行程を組んでいるのだが、なかなかかずまるがついてきてくれない。時間は一応余裕があるのだが、このあたりから、私の脳裏には実は1便早く帰ろうと言う考えが浮かび始めていたのである。

もちろん、遅れたら遅れたなりに、通常通り帰ればよいし、中途半端に時刻に到着しそうになったら、私がかつて住んでいた下宿あたりを散策するのもよかろうとは考えている。だが、かずまるのペースは一向にあがる様子もなく、ある程度は仕方ないかなという状況になってきた。

だが、やけに空が暗くなってきた。今朝の天気予報では、徳島県北部では昼前後に雷雨があると言っていた。雨雲レーダで確認しても、ここへきて確かに鳴門付近に雨雲がわいてきているような感じがする。

か ずまるを急がせたいが、如何せん約1キロの坂とはいえ、カーブしている関係もあって、なかなか先が見えてこず、なかなかかずまるにスパートを掛けされるタ イミングがない。が、左前方に果物の販売店が見えてくる。今までの経験上、そのような店の向こうは、まもなく峠に違いないと勝手に解釈して、かずまるを急 がせる。

  

(左右:国道11号鳴門市バイパス)

実 際には、もう少し先に峠があり、少々かずまるに文句を言われたが、その段階では既に峠がはっきりと見えてきていた。ともかく、これを越えればあとは、川や 道路などを越える坂はあっても、山を越える坂はない。坂を越えた我々は猛然と下っていく。しかし、最近できたパイパスは勾配こそ無茶なものはないものの、 登れば下るという概念が通用しないところがある。ここでも、いよいよ2時間以上ぶりに見えてきたコンビニは、我々のいる場所よりもはるかに高い位置にあ る。つまり、そこまで登らなければならないのである。が、その距離はそう長いものではないので、かずまるには有無を言わせず、立ち漕ぎでコンビニへと突っ 込むような感じで到着した。

ようやく到着したという感じで、コンビニの トイレに入って、出てみれば、なんと外は豪雨になっている。まさに1、2分の差である。最後にかずまるの力が発揮されたのかもしれない。ただ、豪雨という ことは、急激に気温が下がると言うことでもある。つまり、当初はここでチューブ状アイスクリームを考えていたのだが、確かになんだかコンビニのクーラーが 寒く感じる。なんと、かずまるはここであったかい肉まんを買ったのである。そして、コンビニの中ではなく、外の雨をしのげるところで2人して食べる。雨は だんだんと弱くなってきている。

雨は弱くはなったなったのだが、完全に やむ様子はない。そりゃここが山に近いところであるならば仕方ない。どこかで覚悟を決めて、徳島平野へ出るしかない。前回そうであったように、荷物にビ ニールを巻きつけ、リュックの中の物は全てビニールの中に包み、私も帽子をかぶって、弱いながらも降り続く雨の中を走り始める。時刻は11時45分、予定 よりも15分ほど早いから、このままの速度を保ち、最後の休憩を無視すれば、徳島到着は13時過ぎ、なんとか1便早い列車に乗れる。

コ ンビニを過ぎ、再び道路を下っていくのだが、この先には少々気になるところがある。それが鳴門のインターチェンジである。パイパスに大きな自転車通行可歩 道がある以上、むちゃくちゃなことはしないだろうが、自転車が無事通り抜けられるのかを心配している。インターへ近づくと、歩道は大きく左へとカーブをと る。そして、取り付け道路のしたをくぐっていく。ここまでは良かったのだが、なんと、その先が階段になっているのだ。当然車道へ戻ることはできないし、車 道は自転車が走れるような状況になっていない。階段の中央には一応自転車が通行できるように坂になっているが、いわゆる「降りて自転車を押してください」 状態である。

  

(左:今切川の可動橋である加賀須野橋、右:吉野川大橋北側)

上 りの方は、かずまるが限界まで力を使って、なんとか登ってきた。それは、下りという飴があるからではないのか!上りの力の代償がこれかい!と言いたいが 言ったところで仕方はない。かずまるともども不満を言いながら降りていくと、その先にもうひとつ下り坂がある。その向こうは上り坂になっているから、確認 はできなかったが、多分鳴門線をアンダークロスしているようだ。

いよいよ徳島平野へと出るが、前回と違って、視界が悪いのと、建物が多くて眉山は見える気配がない。風は完全に追う風になっているが、ついでに雨も弱いながら降り続く。しかも、前方からは日差しも照りつける。風を除けば最悪の天候である。

そ の中で、かずまるにぜひ見せたいものがある。それが、今切川にかかる旧国道11号、加賀須野という可動橋である。愛媛県にも大洲市長浜の肱川河口にある が、それよりも早く、こちらへやってきてしまった。可動部分が狭くなっており、対面通行となって信号がある。思ったよりも通行料が多い。船に対しても信号 がある。さらに、道路側、船側の両方に遮断機まであるのだ。しかも、次の可動時刻が12時となっているのだが、現在の時刻が11時57分。かずまるでなく ても、これは見ものだと思って待っていたのだが、船が来なければ跳ね上げる必要がないせいか、結局12時05分頃までいても、橋は動かなかった。時間だけ がむなしく過ぎていったのであった。

その先の国道バイパスへ戻る交差点のところにあるコンビニで最後の休憩をとる。当初予定では、徳島大学近くでもう1回休憩をとる予定であるが、ここへきて、雨脚が強くなってきた。多分、そのコンビニには寄ったら風邪をひきかねない状態になるだろう。

そ して、ただひたすら南下を続ける。徳島インターチェンジでも、同様に歩道が迂回していたが、そこまでくれば、吉野川はもうすぐである。今回、かずまるに吉 野川が四国で一番川幅が広いうえに、その最河口部を走るのだと言い聞かせていただけに、かずまるも大変楽しみにしている。そこから、吉野川までは確かにわ ずかな距離であった。いよいよ、吉野川への上り勾配が始まった。

  

(左右:吉野川大橋)

吉 野川にかかったところでは、雨は既に上がっており、かずまるともども停車して、写真撮影をする。ようやく眉山がはっきりと姿を現した。徳島では私鉄がない ため、松山以上に車の交通量が多い。そこで、中心部に車を入れないように、松山でも計画が進んでいる「外環状」の工事が進められている。つまり、徳島駅前 にある国道192号もバイパスとなって、市内南側へ迂回させ、その先が吉野川のさらに河口部へともう1本橋をかけることになっている。その橋も途中まで建 設が進んでいるようであった。

そして、最後のコンビニはなし崩し的に無視し、余裕があれば、4年間住んだよしみで、いくらでも寄り道する場所があったであろう徳島大学付近も、信号なりにショートカットし、結局は徳島大学の敷地隣を走ることなく、過ぎ去ったのであった。

こ の徳島大学であるが、実は大学敷地内に現在の国道11号が建設された。それまでの旧国道11号は、現在の吉野川大橋のもう1本上流にあり、徳島大学隣の国 道11号のすぐ西側(吉野川で言えば上流側)を走っている。で、その道路と道路の間は当然ながら用地買収で現在は民地となっているのではあるが、パチンコ 店などもある。だから、大学時代は、徳島の誰もが少々皮肉をこめて「徳島大学は敷地内にパチンコ店がある全国唯一の大学だ」とか「徳島大学はパチンコ店に 敷地を売った」などという話をよく聞いたものである。あれから、時代は変わり、教育学部は鳴門教育大学へと移り、新たに総合学部とかなんとかという訳のわ からん学部ができている。なお、私は工学部化学工学科卒である。

そし て、最後は前回と同様、徳島駅前へとなだれ込んだのであるが、予定より35分ほど早い、12時55分であった。前回よりは余裕はないが、今回は2人だか ら、自転車解体も少なくて済むし、なんといっても男同士だから、着替えの時間は短くて済む。やはり最後に雨に降られたこともあって、前回ほどではないが、 やはりあのときのような臭いがこみ上げてきている。ちょうど、我々が自転車を解体しているときに、本格的な格好をして、本格的な自転車を逆に組み立ててい るおじさん達がいた。

    

(左:徳島大学付近、右:高松駅)

か ずまるととっとと着替えをすまして、あとは、列車の席を取り、お土産を買わなくてはならない。といっても、我々の荷物は限界まで袋を小さくしているから、 そもそもお土産を考慮した格好になっていない。あとは、帰りの食料とのバランスである。行軍中の食糧のスペースになるべく小さなお土産を買って、食料は別 袋で手に持つ。松山まで残ってしまえば、最後の手段として、かずまるの小さくてとても使い物にならない前かごに載せることになる。で、買ったものはと言え ば、前回行軍で妻が買って帰ったものと全く同じものであり、少々バツが悪かった。

ともあれ、これでいよいよ香川県入り、いよいよ次回は愛媛県入りの予定となっている。できれば、今年中(年末年始休暇中)には松山まで到達したいと考えている。(2009.09.06)

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