かずまる特攻隊番外編・四国一周自転車特攻隊

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(以下の撮影日は特に説明がなければ旅行日)

H21年5月2日(土)甲浦〜室戸(同行編5回目・その2)

 

(クリックすると拡大します。なお、この画像は「カシミール3D」から転載し、地図画像は「カシミール解説本5万分の1地図」から作成しております。)

と いうわけで、松山から実に6時間33分かけて、今回の自転車特攻隊出発地点である甲浦へ到着した。さあ、自転車を持って・・・って、後ろのドアが開かんの かい!仕方なく、自転車1台ずつ最後部からえっちらおっちらと運ぶ。ホーム上で自転車を組み立てて、長い階段を・・・これってバリアフリーの敵ではない か!もっとも、車両1台しかない鉄道会社に言うのも酷な話か?と思いながら階段を下る。

それにしても、この甲浦、後方の山をぶち抜くトンネルの向こうは徳島県。まさに、ちょこっとだけ高知県であり、この行軍が終了しても、わずか15分だけ高知県が残る結果となる。

  

(左:甲浦駅5537D、右:東洋町野根)

で、出発早々正午のサイレンが辺り一面に鳴り響くが、それに呼応して「コケコッコー!」の声が・・・え?もう昼ですぜ?なんという鶏だ!とかずまるにウケていた。

だ が、その失笑もすぐに現実に戻される。結構正面からの風が強い。完全な南風である。しまった。今日は風が強いのか?と今更何の意味もなさないのだが、思わ ず177に電話してしまう。電話の向こうでは、南の風で波の高さ1・5メートル後2メートル・・・その波の高さが太平洋の場合はどの程度なのかはわからな いが、要するにあまりたいしたことのない雰囲気である。特急南風とはよく言ったものだ。今までは自家用車でしか来たことがなく、自転車は初めてだが(当た り前だ!)これは大変なことになりそうだ。

そのような中、いきなり甲浦坂トンネル、相間トンネルと立て続けに小さな坂が続く。しかも、相間トンネルにいたっては、トンネルの中で下っているにもかかわらず、トンネル内では前方からの風でスピードが出ず、トンネルを出たところで、すぐ左に海が広がるという状態である。

この坂を下ると東洋町野根に出る。いわゆるサーファーのメッカであり、海ではまさに○○の子を洗うような状態で、駐車場にはそれらしき車がずらっと並ぶ。ちなみに、かつて22年前に海岸で数名のサーファーが落雷で死傷したことがある。

そ の中で我々は、ただひたすら逆風の中を室戸岬へと向かう。が、どうしても休憩時間が長くなるのも仕方ない。東洋町野根の国道493号交差点(6・6キロ地 点)では、当初予定は12時28分着、12時40分発、写真撮影時刻で判断すると12時34分だったから、まだこの段階では一応定刻行程となっている。 で、この信号であるが、海側からの信号も設置されている。いったい誰が渡るんだ?と、またまたかずまるにウケた。その交通安全の唄であるが「わーたろわた ろ、何見てわーたろ(中略)赤でーはいけない、黄色はまーだだよ!」日本のどこに、赤の後黄色〜青色になるような信号があるんだろう?(ちなみに、かずま るはこの唄を知らないという。い〜かげんな歌詞が抹消されたのか?)

  

(左:東洋町野根、右:東洋町入木北)

だ が、逆風の行軍は確実に予定時刻から遅れつつあるのが判った。ただ、今回は要するに宿に到着する時刻が遅れるだけであって、行軍そのものには影響がない。 しかも、室戸岬では1時間10分の休憩時間をとっているため、少々遅くなっても、かずまるの体力が続く限り、目的地には到着する。それを信じて進むのみで あった。

だが、東洋町入木(約17キロ地点)では約10分、そして当初はここでの宿泊も考えていた室戸市佐喜浜尾崎(約24キロ地点)から立岩が望める場所に至っては、25分程度の遅れとなっていた。

一 方で、当初危惧していた「細かいアップダウンがあるのではないか」というのもそのとおりで、自転車を降りるような坂はないものの、確かに細かいアップダウ ンが連続している。しかも、それが無風ならば特に気にはならないだろうと思われるような坂でも、なにしろ下り坂で通常の抵抗を感じるような逆風である。上 り勾配になれば本当にスピードが落ちてしまう。

一方、道路の状態である が、最初の2つのトンネル付近では歩道がなかったが、最初の数キロを過ぎれば基本的にどちらかには歩道があった。ただ、基本的には進行方向右側のほどが整 備されているようで、左側はかにり荒れているケースが見られた。もっとも、歩道に関しては、一応自転車通行可となっていることによる。相間トンネルに関し ては、前後の道路にほどがないにもかかわらず、トンネルだけ歩道があった。

  

(左:東洋町入木北、右:室戸市尾崎南)

し かも、今日の行程は、休憩に使える店やドライブインが全くない。「国民休暇県・高知」を返上しろ!と言いたくなる。スーパー、コンビニ、それどころか、下 手をすれば自動販売機さえもが必要なときにない。唯一、室戸市佐喜浜にスーパーともコンビニとも区別のつかない店があることが判っていたので、ここで休 む。疲労困憊のかずまるへの対応はスタミナドリンクではなく、やはりアイスクリームである。それもチューブ式ならば食べる時間も少なくてすむ。

な どといっていると、男女3人組の本格的サイクリングの方々がやってきた。この約40キロ区間で唯一の店だから、誰もが立ち寄るのであろう。ついでだから、 かずまるに彼らの自転車を持たせてもらう。相当軽いのだろうが、彼らに言わせると、本格的自転車ではないので、思ったよりは重いとのこと。彼らは、南国市 にすんでおられるらしく、奈半利まで車で来て、国道493号でさきほど我々が「なんじゃこりゃ」と言った信号から国道55号へ入って、これから室戸岬経由 で奈半利まで周回するらしい。それにしても、今日の逆風は大変ですとおっしゃっていた。

その彼らであるが、3人ともに お尻が膨れている。当初は自転車に常時乗っているとそういうような体型になるのかと思っていたが、実は明日のかずまるの状態を見ていたら、お尻が膨れてい るのは、長時間自転車に乗車するための防御らしいことがわかった。ということで、かずまるにそういうズボンを買うか?といったら、自転車特攻隊は四国一周 で十分だから、買わなくていいといわれた。

そんな状態が続くと、当然かどうかは知らな いが、休憩モードにはいるとかずまるは寝転んでしまう。その一方で「ここで津波が来たらどうする?」などと悠長なことを言ったりもする。そんなもの、少し でも高台へ避難するだけよ。第一、それで助からないような津波だったら、少なくとも我々だけが犠牲になることはない。それはあきらめるしかないとも思う。

  

(左右:室戸市尾崎南の立石)

などと、のんきなことを言いながらも、逆風に阻まれて予定時刻を過ぎてしまっても、それでも次第に室戸岬が近づいてくる。そして、当初予定よりも約40分遅れで、ついに室戸岬へと到着した。

本 当は先に足摺岬へ行くべきだったのだろうが、諸般の事情により、宇和島からまっすぐ窪川へ行ってしまったものだから、おそらく先に四国一周してしまってか ら余裕があれば足摺岬を最後にもっていくことになるのだろうと思っている。というよりも、足摺岬にこだわっていたら、我々はおそらくまだ足摺岬にもたどり 着いていないのではないかとも思う。宇和島〜宿毛間のアップダウンは想像以上のものだし、その区間はどうしても2泊しないと抜けられないようになってい る。最近の我々の生活事情から考えると、1泊が限界であるのは明らかであり、現在の行程が正しいと思って間違いないと思っている。

こ の室戸岬はすぐ裏手に急斜面が広がってはいるものの、国道そのものはかなり海際に近いところを走っているせいか、足摺岬ほどは「岬!」という気がしない。 しかも、地図で見ればかなり尖がっている岬なのに、いざそこへ来ると、いったいどこが岬かわからず、看板があるからそうか?と思うような気がしないでもな い。

が、ともかく、我々はついに室戸岬にやってきた。あとは、今日室戸市内で宿泊し、明日土佐くろしお鉄道・ごめんなはり線あかおか駅まで行って、自転車特攻隊の経路が繋がることを目標としなければならない。

  

(左:室戸岬方面、右:室戸岬)

ち なみに、今日の宿は室戸市の中心部の宿をとっている。本来ならば、岬に近いほうが雰囲気は出るのだが、明日の約61キロという行程を考えると、できる限り 今日進んでおくほうがよい。といっても、室戸市中心部を通り過ぎて、なんにもないところに宿泊するのも、かずまるがカルチャーショックを受けるかもしれな い、ということで中心部に近い場所にした。

この宿は「ホテル」とはなっ ているが、どうみても民宿である。和室であるのは当然だとしても、内部は完全に木造であって、近くの純然たる民宿と比べると、部屋の中にトイレがあるかど うかの違い程度だったのではないかと思われる。が、当のかずまるはここ数年通い続けている、空手の合宿でのザコ寝を経験しているせいか、思ったよりもけ ろっとしていた。

その宿であるが、まあ、共同浴場はまあまあきれいだっ たし、食事は多少量が少なかったが、地味ながらも海の幸が豊富だったし(多分値段の関係だろうが、それで十分美味であった)、ケーブルテレビだったのか、 思ったよりも多チャンネルのテレビが見られたし、冷蔵庫には支払いが良心に任された飲み物が入っていたし(飲んだ分だけ冷蔵庫の上の入れ物にお金を入れて おくシステム)、まあ、外に出ることがなかったが、それなりに楽しめた宿であった。

だ が、それよりも、なによりも、午後9時前には、かずまるは布団に沈没していた。まあ、それは当然か。それと、姫路のYoshikenさんが明日高知県へ やってくるという。今回は家族旅行らしいので、会うことはできないのだろうが、どのようなことになるのだろうか。(2009.05.07、その3へ続 く。)

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