かずまる特攻隊番外編・四国一周自転車特攻隊

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(以下の撮影日は特に説明がなければ旅行日)

H21年5月3日(日)室戸〜あかおか(同行編5回目・その3)

 

(クリックすると拡大します。なお、この画像は「カシミール3D」から転載し、地図画像は「カシミール解説本5万分の1地図」から作成しております。)

さ て、いよいよ運命の・・・というと大袈裟ではあるが、かずまるにとっては最長不倒約61キロの行軍がやってきた。しかも、前日逆風の中の約43キロはボ ディブローになっているの間違いない。それは、かずまるの睡眠の深さが物語っている。とはいえ、午前7時には朝食をとらなければならないが、昨日かずまる 自らが(理由は判らないが)6時40分と宿の人に頼んでいる。というわけで、6時40分になったところでかずまるをたたき起こす。

  

(左:室戸市ホテル富士、右:室戸市方面)

朝 食もなかなか美味であり、荷物を片付けて、出発の準備をする。実は宿の近くの少々大きいガレージに自転車を入れていたのだが、昨夜我々が入ってから2台の オートバイが入れられていた。それを横目に荷物を自転車に縛り付けて、出発したのは7時57分、わずかでも当初予定時刻よりも余裕がほしい中で、わずか3 分の早発であった。その出発直前にYoshikenさんから連絡があり、現在与島で休憩中らしい。今日は彼も家族での旅行らしいので、会うことはできない のだろうが、高知県内でどのようなシンクロがあるのだろうか。

近くの自動販売機で飲料水の調達をしてから、まもなく国道55号へ出る。今日も基本的には南風らしい。昨日は強烈な向かい風であった南風が、今日は斜め後方からの追い風になっている。今日は何回かの岬を越えていくことになるが、まずは行当岬をほぼ定刻に通過する。

し ばらくすると、最初の道の駅(6・1キロ地点)がある。ここは、国道55号が最後まで1車線だったところで、2車線になってから走るのははじめてである。 が、その割には道路の状態がよろしくない。海風の影響だろうか。しかも、歩道は護岸道を走るようになっているが、途中で突如道がなくなって、道の駅へ階段 を登って入るようになっている。なんたることかと思う。

それよりも心配なのは、この道の駅で休んだにもかかわらず、ここから3・8キロ走ったところにある吉良川大橋(約10キロ地点)のところで、下の画像のようにかずまるが寝転んでしまった。やはり昨日の疲れがあるようだが、まだあと51キロほど走らなければならない。

  

(左:行当岬方面、右:室戸市吉良川付近)

室 戸からあかおかまでの地形を見ると、終盤に勾配区間があるものの、基本的には大きな坂は見当たらない。そのかわり、いくつもの岬を回り込んでいくことにな る。地図で見れば、行当岬、羽根岬、安芸の手前にある大山岬、そして最後の難関と思われる手結岬がある。ただ、実際に走ってみると、地図上ではなだらかに 思われるようなところも、結構岬のように思われるところもある。もっとも、前半は特に勾配もなく、風もほぼ順行だけに、ありがたい話ではある。

し かし、走行には特に支障がないような条件であっても、かずまるの体力面ではこれが精一杯であるらしく、室戸市と奈半利町の境(17・1キロ地点)にある羽 根岬を通過したのが9時37分と、当初予定時刻と全く同じなのである。地図ではわかりにくいような勾配もなく、風も順行の中でのこの速度は少々遅いといわ ざる得ない。

奈半利の街へ入る直前に地図では確認できないような小さい 坂がある。ここには貯木場(22・7キロ)があって、道路の反対側には弁当などを売っている店がある。かずまるがそこへ行きたいというが、もうすぐ奈半利 の中心部でもあり、その近くには道の駅とコンビニが並んであることが判っているので、無視して出発する。目の前の国道にはもう一段坂が待っているが、幸い 中心部へと下っていく旧道があるのでそちらへ向かう。時刻は10時03分、予定時刻よりも7分早くなったため、それを道の駅での時間に使おう・・・と思っ たら、そうは問屋が卸さなかった。

  

(左:室戸市吉良川付近からの行当岬、右:羽根岬からの安芸方面)

再 び国道55号に出て、奈半利の駅(24・2キロ地点)が見える場所でかずまるの自転車のチェーンが外れたのだ。事故がもっとも考えたくないパターンで、そ れ以外ではタイヤのパンクが最大のアクシデントではあり、チェーンが切れたのではなく、外れただけだから、たいしたことはないのだが、それを直した後に道 の駅(25・6キロ地点)へ行って、コンビニで例のチューブ式アイスを食べたら、すでに予定時刻をオーバーしていた。ここで、Yoshikenさんから メールがあり、アンパンマンミュージアムへ到着したらしい。

ここで気づいたことは、室戸からの道筋では、そんなに自動車が混んでいたという印象はなかったのだが、ここの道の駅では相当の車が駐車しており、また、国道55号も結構混んでいる。いったいこれらの車はどこからやってきて、どこへ行くのだろうか?と思わないでもない。

さ て、さきほどから、予定時刻についてしつこいほど書いているのであるが、これは終着点あかおか駅の予定到着時刻が14時26分、列車の出発時刻が14時 48分であることによる。自転車の収納時間を考えると、10分程度の遅れが限界である。ただ、残り3・3キロ地点にある夜須の道の駅「ヤシーパーク」で 12分余裕を見ているから、それ以上遅れそうだと、そこを無視する方法もある。また、本当に遅れた場合は、あかおか1545(5839D)1556後免 1631(43D)1759窪川1823(4831D)2015宇和島(1076D)2132松山という手段もある。また、さらに16時04分の後免行き 5877Dでも43Dには間に合う。それ以上遅れるようなら、多度津経由に切り替える手段もある。ただ、5839Dに遅れた場合は次の15時22分の後免 行き5875Dでは到着5分前に41Dが出てしまうというのが口惜しい。

  

(左:奈半利駅、右:穴内駅付近の自転車道休憩所)

奈 半利を過ぎると、当然ながら鉄道くろしお鉄道が並行して走るようになる。つまり、走る目標がひとつ増えることになる。しかも、案外同鉄道は駅の間隔が短い ため、気休めになるのではないか?と思っていた。が、結果はもはやそういう状態ではなく、唐浜駅口のあたりで再びかずまるの足が止まる。このあたりで 30・5キロ地点だから、ちょうど中間点というところである。が、かずまるにはまだ中間点という言葉を言わないでおこう。やはり残りが明らかに少なくなる までは、現在が中間点だというと、かえってダメージを与えかねない。かつて、徳島での学生時代、讃岐相生から大学までの夜間貫歩というのがあった。故宮脇 俊三氏の「時刻表2万キロ」にも出てくるし、1年のときは実際に歩き、2年のときはスタッフとしてちょうど中間点に立ったことかある。そのとき「ここが中 間ですよ」と言って、言われた人が(まだ中間点かと)がくっとなるのが判ったことがある。

地 図を見ればそんなに岬には見えないものの、という場所のひとつでもある大山岬を回りこむと、すぐに道の駅がある。あと5キロほどで安芸市を通過する。そこ からは自転車道があるはずだから、少なくとも、自動車からの危険が少なくなる。伊尾木駅付近(37・9キロ地点)にあるコンビニに入ると、かずまるが「頭 がくらくらする」といい始める。これはまずいと思い、やはりてっとり早く、例のチューブ式アイスでカロリーを入れさせるが、幸いコンビニ前の歩道境界ブ ロックに腰を下ろしてそのほかにも結構食べたから大丈夫だろう。実際、頭がくらくらするというのは、ヘルメットで頭が暑いというのもあるらしかった。

こ こで昼食まがいの休憩をするということは、この先穴内駅付近での29分休憩が控えているから、ここで多少は遅れても時間的には問題あるまいと考え、予定よ り約10分遅れの11時50分に出発する。あかおか駅まではあと約23キロ、ようやく先の方が短くなってきたのがわかるようになってきた。もっとも、かず まる本人は、高知〜あかおか間前回の走行距離18キロを考慮し「高知まであと○○キロ」というのを18キロ引いて計算しているから、残りの距離ははっきり とわかっているのである。

  

(左右:穴内駅付近の自転車道休憩所)

そ うして、いよいよ安芸市に入る。ここでは国道よりも海側を走ったほうが明らかに距離が短いのだが、なんと海側の方が標高が高いのである。安芸駅付近の国道 の標高が約7メートルなのに、それより海側にある郵便局の標高が約11メートルというのがその証拠である。我々はその狭隘部を抜けて、再び国道55号へ戻 る。が、そこからまもなく、自転車道に入る。この自転車道は元々は旧鉄道跡(安芸線)がベースになっている。だから、自転車道を走っていると、古い橋梁跡 があったりするのだが、その自転車道に入る標識がない。せめて、案内看板くらい安芸市側に作れよ!といいたかったりする。

ま あ、自転車道に入ってしまえば、もう車の恐怖からは抜けられる。最初は護岸壁を走ったりするものだから、室戸のように途中で階段があったりしないだろう な、と思ったりもしたが、そんな心配もなく、穴内駅付近の休憩所へと到着する。穴内駅が44・5キロ地点でそこよりは多少東側に位置しているところであ る。ここからは、いよいよ最終難関となる手結岬がはっきりと望まれるようになる。

が、 ここで再びかずまるがダウンする。お尻のあたりが痛いのだそうだ。昨日サイクリングをしていた3人組のお尻付近の格好を思い出す。あのいびつな格好はお尻 の衝撃を和らげる効果があったのだ。しばしかずまるのお尻を揉んだりして、ともかくあと16キロ余りを走らなければならない。16キロといえば、今日の 61キロから言えばあと4分の1強ではあるが、今から16キロ走るといえば、近い距離ではない。が、ここを出発したのが予定より10分ほど早い12時30 分、残る16キロに2時間はかかるまい。

  

(左:穴内駅付近の自転車道休憩所、右:赤野休憩所付近)

だ が、そこを出発すると、まもなく上り坂が始まる。当初から想定はしていたが、御殿の鼻という多分今日の最高点(約23メートル)が近づいてきたのである。 表記上は手結山トンネルの方が標高が高い(25メートル)のだが、多分あちらは、旧鉄道跡トンネルを抜けるからそんなには登らないと確信している。

その御殿の鼻を越えたところに、赤野休憩所(47・0キロ地点)がある。ここへきての勾配はきついにはきついが、やはり鉄道跡ということで勾配は緩い。鉄道がいかに勾配に弱いかがよく判るときでもあった。(2009.05.12)

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