かずま る特攻隊番外編・四国一周自転車特攻隊

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(以下の撮影日は特に説明がなければ旅行日)

H23年3月27日(日)江川崎〜足摺岬(同行編OP・その1)

  

(クリックすると拡大します。なお、この画像は「カ シミール3D」から転載し、地図画像は「カシミール解説本5万分の1地図」から作成しております。)

佐 田の沈下橋を過ぎると、まもなく中村の市街地が近づいてくる。元々は中村市だったのが、西土佐村との合併で四万十市と名を変えた。風はだんだんと南風、つ まり向かい風に変わりつつある。一昨年5月の連休中、高知甲浦から室戸岬をめざしたときに向かい風に悩まされた悪夢がよみがえる。

  

(左:中村市街地のスーパー、右:伊豆田トンネルへの坂道)

そうこうしながら、ようやく中村市街地へと入る。目的地は、自転車での出発地点以来初めてとなるコンビ ニ・スーパーマーケットである。今日の行軍は約62キロ。現時点では40キロだから、まだ20キロ以上の行程があることになる。

ここでかずまるは何を考えたのか、たぶん宿の周りには全く店がないことを心配してか、松山でも見かける スーパーでスナック菓子を2袋も買う。このあたり、荷物が少ないことはいいことでもある。しかも、余れば自家用車に積んで帰ることも可能である。その後 のかずまるはチューブ状のアイスクリームを買い、駐車場に座り込んで食べている。時刻は14時50分。あと20キロ少々だから、午後6時までには到着でき るのだろうが、今後の風が心配でもある。

その間、妻からメールが来て、中村市街地の別の(これまた松山市内でも見かける)スーパーで買い物をし て、これから四万十川最河口にある四万十大橋を渡ったところで待つという。ここからは約25分程度の場所でもある。

だが、やはり、国道56号を過ぎて、四万十川の河口付近に出ると、向かい風が強くなってきた。我々は風 をよけるように一旦堤の外側にある河川管理道に出る。ここならば、多少堤が風のブロックをしてくれる。

しかし、それもつかの間であり、まもなく河川堤防上にある国道を走らざる得なくなる。しかも、歩道もな いうえに、多少道路が狭いような気がする。ここは高知県。過去の恐怖がよみがえるが、幸い、危険な箇所ではほとんど車に追い越されることもなく、クラク ションを鳴らされることもなかった。

実崎(さんざき)で四万十大橋の下をくぐる。.そこで再びメールを送ったら、しばらくして後方から追い 越すという返事がやってきた。四万十川大橋対岸で休憩していたらしい。

  

(左:伊豆田トンネルをからの下り坂、右:宿まであと約5キロ)

だが、待てど暮らせど、イプ様はやってこない。とは言うものの、我々は前進を続ける。間崎からはいよいよ伊豆田トンネルへの向かうため に内陸部へと走り始める。ここへきて多少風の影響を受けなくなる。

イプ様はまだこない。いったい何をしていたのかと思っていると、いよいよ勾配が始まろうとしているところで、イプ様が追い抜いていっ た。どうも、四万十大橋から逆方向へと走ってしまったらしい。

というわけで、停車したイプ様に向かって、「(この先にある伊豆田)トンネルを抜けて、海岸近くまで下ったところにあるコンビニで待機してほしい」と伝える。私はそう 言ったつもりだったが、が、後で聞くと、かずまるも「海岸近く」という言葉が聞こえなかったというから、1対2で敗北になった。そんなわけで、さらに妻の混 乱は続く。

すでに時刻は16時20分になっているが、距離はあと10キロあまり。しかも、上り坂があれば下り坂があるわけだから、もはや急ぐこと もなく、伊豆田トンネルまでは自転車を押して登っていく。しかも、この坂道は思ったよりも急勾配ではなく、坂道も日和佐前後のような長いものでもなかっ た。そして、トンネルは1・6キロという長大なりだが、なによりもトンネル内に自転車が通行できる歩道が設置されている。

坂道を登り終え、トンネルに入ろうとすると、イプ様が前方からやってくる。コンビニがないというのだが、どうも坂を下り始めてすぐにあ ると思われるレストランと勘違いしていたらしい。ただ、これは1対2で私の指示ミスだったことになったことは前述のとおり。

というわけで、16時50分頃には沿線唯一のコンビニへ到着する。その裏手には、先週行軍したら宿泊していたはずの民宿の姿もあった。ちなみに、この宿は安宿(あんじゅく)と読む。

  

(左:久百々の民宿、右:久百々から足摺岬方面を望む)

だんだんと寒くなってきたのだが、ここから足摺岬までは、細かいアップダウンの連続となる。宿まではすでに3キロを切っているのだが、 下ノ加江の橋を渡る と、すぐに上りとなる。すでに60キロ近く走ってきたかずまるには体力があるはずもなく、少しの坂でも自転車を押しての行軍となる。上っていくと、すぐに 下り坂になる。下っていくと、目の前に上り坂が待っている。そして、3つ目の坂を上って今度はすぐには下らないなあ、と思っていると、そこに今日の宿が あった。

宿 の駐車場にはすでにイプ様がとめられており、妻が休んでいた。そこで、自転車の荷物を降ろし、2台の自転車を2個のチェーンロックで互いに縛ってから、宿 へと入る。サイト予約では我々だけだったのだが、3名のお遍路さんが宿泊しているようである。この方々は夕食の様子では団体ではなく、たまたま遍路道で知 り合ったような雰囲気であった。また、そのうち1名は翌日もこの宿に宿泊するという。ここから足摺岬のお寺まで往復44キロ。楽ではないが、不可能な距離 でもないから、そういうお遍路さんがおられるのだろう。

宿の風呂は、男女2部屋あるのだが、たぶんお遍路さん3名が男風呂に入ったのであろう。我々は家族風呂ということで、女風呂になった。表示上少々抵抗は あったが、特に問題はなかったようだ。いずれの風呂も太平洋が見渡せるなかなかの光景であった。ちなみに、2週間前にはこのあたり1メートル20センチの 津波が観測されたらしいが、この宿に関しては特に津波は問題なかったという。当日キャンセルしたから申し訳ないが、この場合仕方なかったと思うことにす る。

で、夕食であるが、いずれもこの近く(多分、下ノ加江の港)で荷揚げされた魚のオンパレードであった。いずれにしても、四国一周・自転車特攻隊以来かずま るが魚(特に刺身)を好物とすることになったのが、この企画の収穫なのかもしれないと思うようにもなった。ただ、さすがに60キロの行軍、特に私はさらに 120キロの運転の効果もあり、20時からの某国営放送の大河ドラマが始まるや否や、私は爆睡、妻子も終わるまでには寝てしまったという。

  

(左:大岐を過ぎた坂、右:ショートカットした道)

さて、翌日も我々にしては、珍しくもよい天気であった。とはいえ、今日は月曜日。年度末の繁忙期にもか かわらず、悠長なことではある。

が、ともかく、最終目的地である足摺岬をめざす。ただ、今日は距離こそ22キロ程度であるが、ほとんど がアップダウンの連続になりそうだ。また、今日も風は北後南となっている。時間が経てばだんだんと向かい風になる可能性もある。

宿を出発した我々は、最初は久百々の集落へと下っていくが、すぐに上り坂が待ち構えている。昨日62キロはしたかずまるの体力は、昨夜9時前には寝たということで、どの程度回復しているのか。まあ、今回は公共交通機関での帰宅ではないから、時間の制約は ない。しかも、荷物はイプ様に載せているから軽い。というより、かずまるはほとんど手ぶら状態である。

そうして、2日目の行軍が始まったのであった。

<その3へ続く>(2011.04.17)

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