第14回坊っちゃんランランランも9キロ42分02秒で通過。 この段階で「もし10キロ付近のトイレが空いていたならば突入する」と考える。5キロ手前のトイレは待っている者はいなかったが、男子トイレは先客があった。 10キロが近づく。と、ちょうど、トイレから出た方が見えた。その前に入る方はいない。そのままトイレへ直行。 先日の今治シティマラソンでは体調が悪く、「いっそトイレに行って記録更新を断念しようか」という消極的な考えがよぎった。今回はそれどころではないが、この段階で記録を断念することになることは同じだ。 そもそも、フルマラソンの場合、私はトイレロスタイムを計算している。が、ハーフマラソンはそんな余裕はない。 10キロ47分20秒(5-10は23分40秒)。一昨年よりも20秒遅いが、トイレロスタイムを考えると、実は一昨年よりもペースは速かったことを、この時点では完璧に忘れていた。 ただ、5キロと10キロ地点が昨年よりも手前にあるということは、ラスト1キロの「Z坂」の急降下はすべきでないと思っていたのが、結局11キロ先の第3折返しは前年そして一昨年と同じ。結局その段階で「ラスト1キロあたりのZ坂は急降下してやる」と思ったものだ。 折返して、今年も向かい風となる。 だが、今年はここで奇跡が起こったのだ。 私は今年5月から昼休みに堀之内でストレッチ&スクワット&「高血圧対策」のふくらはぎマッサージを7ヶ月にわたり延々35分以上している。 その際、堀之内を走られている方々を見るわけだが、その中の方に一度7キロあたりで追いついた。が、トイレロスの間に抜かれ、追い風が 始まった12キロあたりで再び視界に捕らえた。その方こそ「びょん吉」さんだった。彼は松山市内のマラソンブログで、うわさはいろいろと聞いていたもの だ。彼についに「ファーストコンタクト」したわけだ。 私もフルフラットで走るタイプだが、彼の走り方はここ半年で判っている。ここは大阪マラソンの惨敗の経験から、「彼につけ!」という声が聞こえたのかもしれない。 ともかく、11・5キロから延々3キロ、彼に張り付く。だが、記録は11-12が4分28秒、12-13が4分38秒、13-14が4分35秒。 往路の追い風を4分30秒、復路向かい風は5分00秒切りと考えていた私には、復路はうれしい誤算だ。しかも、彼に張り付いていたからか、まだ体力の余裕はある。もっとも、そんなペースで走っている「ぴょん吉」さんに、なぜ追いついたのかという疑問は残るが・・・ その「ぴょん吉」さんが15キロ手前でペースが落ちる。昨年は「迫るおじさん」に15キロあたりから付いていった。今年はこの段階でまだ余裕がある。彼の前に出て「すみません。ここ3キロ付かせていただきました。よろしければ後ろに付いてください」と前に出る。 しかも、(GPS計測で)15キロ、16キロで「(15キロの場合)キロ4分40秒です」という余裕があった。これは本当に不思議だ。もっとも、後ろを見ると10人近い人が私の後ろに張りついていた。そして「4分40秒か、ちょっと速いな。」などという声が聞こえる。 「ぴょん吉」さんに3キロ付かせていただいたのが、これほどの余裕をもつのか?確かに、エリートマラソンランナーの場合は普通に目にす るのだが、我々のような市民ランナーでさえも、左右することなのか?ともかく、15キロ1時間10分17秒(10-15は22分57秒)というこの大会の 5キロとしては向かい風の中で最高記録を出す。 なによりも、この段階でネットタイム1時間39分切りを確信する。あとはグロスタイム1時間39分00秒の記録に迫れるかどうかだ。一
度はあきらめた記録。トイレロスタイムがなければどうなったかと思うが、それは「体が軽くなった」「一旦停止しスイッチが入った」ということと思おう。 さらに、JR手前の第4折返しで再び向かい風になったところでも、ペース維持に努める。17-18が4分30秒、18-19が4分35秒、再び石手川に戻る19-20が4分30秒。 だが、この追い風では既にスパートする体力はなかった。15キロあたりの余裕を考えると少々情けないが、向かい風でのペースアップあっての話だ。これは仕方ないだろう。20キロ1時間33分17秒(15-20は23分00秒) ここまで来たら自己記録を狙う。というより、ネットタイムで1時間37分台を狙う。そのためには、あと1キロ地点、いや、あと残り700メートル地点の再び石手川の堤頭へ出るところからのスパートだ。 これは正解だった。実際、その上りの悪路で転倒した方がおられた。 あとは、スパートあるのみ、誰が前にいるわけでもない。昨年のように「迫るおじさん」が居るわけでもない。だが、ペースをあげるのみ。 GPSでの記録によると、残り700メートルからのペースは概ねキロ換算4分15〜20秒、残り300メートルの最後の下り坂からラストスパートに入り同4分00秒、残り200メートルで同3分40秒、ラスト100メートルは同3分20秒まで上がっている。 そして、ネットタイム1時間37分54秒、グロスタイム1時間38分14秒でゴール。2年ぶりに自己記録間を46秒更新した瞬間であった。(2013.12.14) |