坊っちゃん列車・千夜一夜小話の巻

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第10話 坊っちゃん列車VS自転車特攻隊。

坊っちゃん列車を自転車で追っかけることがある。松山市駅から道後温泉まで追っかけることが多い。松山市駅を出発した後、近くに駐輪していた自転車めがけてダッシュするのだ。

が、最初の関門が待ち受けている。

南堀端〜松山市役所間で横断ができない。まあ、たいしたことのない関門である。坊っちゃん列車が千舟町交差点で信号待ちしていることが明らかであれば南堀端までバックする。そうでなければ松山市役所まで一気にダッシュするのである。すると、

先ほど松山市駅で見た乗客が手を振ってくれる。

かずまるも手を振る。一瞬なごやかな空気が流れる。が、これが、上一万付近まで続くと、乗客の表情がこわばってくるのが感じられる。

まだ、走っとるのかいな。

で、道後温泉に到着すると、誰も目を合わせてくれない。乗務員も他人の顔をする。そして、彼らに向かって、かずまるがとどめの一撃を放つのである。

○○○さーーん!!

(2003.06.04)

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第9話 坊っちゃん列車の乗客の反応。

坊っちゃん列車に85回も乗車していると、いろいろな人間模様を見ることができる。その中で、「あんた何か勘違いしてるやろ」と思うことがある。最近見かけるパターンとして、母親がその子供に向かって

「○○ちゃん、機関車トーマス来たよ」

まあ、かずまる自身も、どこまで蒸気機関車と機関車トーマスの差を理解しているか怪しいものだし、以前よく乗務員に「坊っちゃん列車の正面に顔を書かれたら、真っ先にかずまるが疑われる」なんて話をしていたから、あえて反論はしないが、

頼むから、大きな声で言わないでほしい。

これが、もう少し大きい子供だったりすると、多分「機関車トーマス」を卒業してしまうのかもしれないが、少々しったかぶりをしてみたくなるのであろう。

ねぇねぇ、これって蒸気機関車でなくて、ディーゼル機関車なんだよね。

頼むから、雰囲気を壊さんといてくれ。次に、最近少なくなったが、年配の夫婦に付き添ってきた娘さんあたりが、よく

「お父さん、昔もこんな様子だった?」

という会話である。こちらは、実にほほえましい会話である。そのときのお父さんは、たいてい「うんうん」とうなずくが、なにやらその場をごまかしているようにも見える。「昔の車窓と比べよと言う方が無茶である。」と心の中でいっているようにも思える。そう言えば、義父母はまだ復活した坊っちゃん列車に乗車したことはないが、昔は乗車していたらしい。一度招待をしなければならない。(2003.02.09)

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第8話 坊っちゃん列車値下げの招待?

坊っちゃん列車は昨年8月にそれまでの1区間1000円から終点まで300円と実質的に大幅値下げになった。しかも、1日乗車券「1dayチケット」を購入した暁には、1回200円で乗車できる。2回で700円、3回で900円・・・

つまり、3回乗ったら元が取れる!

昨今坊っちゃん列車に1日3回や4回乗車することも珍しくない、またそれ以上に市内電車等に乗車しまくっている、我がかずまる特攻隊にとっては、まさに「天の恵み」なのである。

事実坊っちゃん列車が運行開始してから、10ヶ月で9回、つまり9000円の乗車賃を払ってきたかずまる特攻隊は、すでに改正後6ヶ月で、72回乗車しているのである。ここで、300円で乗車した回数と200円で乗車した回数を計算してみると、300円で乗車した回数は8回となっている。つまり、あと64回は200円で乗車している。ということは、6ヶ月間で15200円の出費。おおっと、値下げするよりも出費がかさんでいるではないか。などと言っていると、

ふっふっふっ、それが狙いなのですよ!

と「元気君」の高笑いが聞こえてきそうである。

しか〜し、問題はそこからである。まあ、坊っちゃん列車が1乗車区間1000円の時に、実際には「1dayチケット」を所持して坊っちゃん列車を追い掛け回していたわけであるので、決して出費が増えているわけではない、と思う。むしろ、この200円の意味に問題があるのである。

お分かりいただけるだろうか。伊予鉄道が経営する「梅津寺パーク」に親子で入場するだけで、400円かかるのである。坊っちゃん列車の場合は、もちろん未就学児童は保護者同伴ならば無賃となる。「いよてつ高島屋」の屋上で「機関車トーマス」の遊戯1回が200円である。坊っちゃん列車乗車ならば、最大で25分乗車、しかも、これはまさに本物が味わえるのである。

物事の価値観を根底から覆させる、坊っちゃん列車恐るべし!

いずれにしても、25分で200円(古町駅⇒道後温泉駅間の場合)なのである。根本的には鉄道とは「人を運ぶべき手段」であるのだが、最近いわゆる「鉄道マニア」でなくても、「移動することそのものを楽しむ」ということが趣味として市民権を得た。そして、坊っちゃん列車はそのまさに王道を行くものではないか。

やっぱり坊っちゃん列車で小さな旅を楽しもう!

(2003.02.03)

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第7話 坊っちゃん列車1号機の謎に迫る?

坊っちゃん列車が1号機の場合、現在のところは「ハ1+ハ2」の2両で運転されている。つまり、人は坊っちゃん列車に乗車する場合、前の客車に乗るか、後ろの客車に乗るかの選択をしなければならない。

いや、別にそんなに堅苦しい話をするつもりはない

要するに、必然的に2両のうち、どちらかに乗ることになるという話である。ところが、観光客や初めて坊っちゃん列車に乗る、といった人々は決まって前客車に乗ろうとするようである。というわけで、

前客車は満員なのに後客車は我々のみ

ということが現実に存在する。何故、人は前客車に乗りたがるのか?というより、なぜ「かずまる特攻隊」は後客車に乗りたがるのか?答えは簡単である。後客車ならば、前客車の上のパンタ(ビューゲル)が上がったことが確認できる。したがって、M車掌が前客車に乗務しない限り、後客車に乗る。と、まあ、マニアックな理由なのである。

さて、人は前客車に何を求めるのであろう。前の方がよく前が見える?そんなことはない。客車の前には機関車がしっかりと邪魔をしている。しかも、ご丁寧に機関車の前窓は実に小さい、というより、客車の前扉の正面に付いていない。見えるのは運転手の後姿だけである。したがって、

客車の前扉から前方を見ようなどと期待してはならない。

まさか、早く目的地に着きたいなどという理由ではあるまいな?それとも、単になんとかの高上がりと同じ理由か?いずれにしても、よく解らない。ただ、おかげで、

かずまるは、客車の床で地図を広げて眺めてる。

などという、冗談みたいな現象が起こるのである。

それも、まあ良いか。

(2003.01.02)

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第6話 坊っちゃん列車「車内案内」について。

坊っちゃん列車が1乗車区間1000円だった頃は、列車が出発すると車掌が車内放送をしてくれていた。それが、8月8日の値下げ以来、一時中断していたのだが、めでたく復活した。情緒があって、何回聞いてもいいものである。

「・・・伊予鉄道は明治21年に松山〜三津間6・8キロで開業しました・・・坊っちゃん列車の愛称は、夏目漱石の小説「坊っちゃん」の中で・・・この坊っちゃん列車は、蒸気機関車からディーゼル機関車へ・・・」

あんまり書くと、「実際の車内案内と内容が違うぞー!」と「元気君」あたりから添削をされそうだから、このあたりでやめよう。

さて、その車内案内であるが、いやー、14号機運行開始時から車掌を務められた第2期の車掌さんは、第1期の車掌さんが最初そうであったように、初々しくてほほえましい。これが、第1期の車掌「翼君」ことM車掌ならば、うーむ、やはりベテランと感じさせ、更には、案内の最後に「私は屋外で、列車誘導をしておりますので、なにかありましたら、お声をかけてください。」と余裕の案内が聞かれる。と、そのとき、

Mさーーん!次のサッカーの試合いつ?

こらこら、かずまる。だからって、そんなことを聞くために「お声をかけて」どうする?

大変失礼しました。

「お声をかけて」のついでであるが、仕事柄、車掌は当然ながら乗客から色々と質問を受ける。たいていのことは勉強しているだろうが、それでも基本的なところに盲点があったりするのだそうだ。

「明治21年って、西暦何年ですか?」 「え゛っ!?」

おおっと!明治といえば明治であって、いきなり西暦と言われても・・・今が西暦2002年で、昭和元年が1926年で・・・大正は15年、明治は45年だったっけ・・・などと言うことを、急に頭の中でやれ!と言われても・・・と、大変困ったらしい。ただ、実は伊予鉄道は創設が明治20年で、「伊予鉄100年誌」を昭和62年に出版している。ということは、平成元年が1989年だから、1889年から2引いて1を加える。つまり、1888年。しかし、

1号機関車の横のプレートに1888年とあるではないか

早速機関車を見に行く車掌さん。思わず、おおーーっと、感動の一瞬。なんのこっちゃ。(2002.12.26)

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