先 ほどは、第2折り返しをもって中間点と思おう、といったところだが、このコースは、27キロ手前で再び国道196号に戻ってきたところで、ようやく後半だ と思うのが一番良いのかもしれない。事実、昨年の場合は、国道に戻る交差点から、それまでの5キロ29分のペースから一気に26分台へとギアが入ったもの だ。 だが、今年はどうもペースが上がらない。1キロあたり5分30秒を切ることができない。かといってペースが落ち込むということもなく、5分30秒から35秒のあたりを行ったりきたりしているのである。
そ の原因は膝にあるような気がする。心肺は問題ない。最終調整時は200メートルほどジョギングしただけで、脈拍が上がってしまい、2時間近くも1分60回 を切らなかった。それは、最初のペースを抑えたことでクリアされたようだ。だが、膝が思ったよりも重く、ペースを上げるのがつらい。いや、つらいというこ とはないのだが、難儀だという気分になっている。ここで、無理をしたら、ひょっとして今回は35キロの壁が来るかもしれない、という不安もある。 そ れよりも、走っていることがかったるくて、なんだか暇だ!ただ時間の経過だけを待っている状態で、視線が下を向いてしまっているのが判る。というより、後 日見た自分の写真でも、そんな写真が目立ってしまった。まあ、幸いなことに、今現在ペースが落ちていないことだけは確かだから、今はそれを信じて走ろうと 思う。 そうしているうちに、28キロあたりで前方に集団があることに気づく。目を凝らすと、確かにその中に風船がある ことが確認できる。ようやく、4時間のペースメーカーに近づいてきたのだ。トイレロスで1分程度遅れてから、実に20キロ以上かかって、ようやく追いつい てきたのである。そのペースメーカーの一団がゆっくりと近づいてくる。だが、よく考えると、この一団より前にいないと、グロスサブ4はないということにこ こで初めて気づいたのであった。(このペースメーカーの方のゴールタイムは3時間59分40秒であった。おそるべきペースである。) 29キロを過ぎて、一団の後ろに取り付く。が、一番やっかいなところで取り付いてしまったらしい。ちょうどここに給水地点があるため、前方の集団と交錯してしまう。が、大きな混乱もなく通り過ぎて、ペースメーカーの真横に出た。 そ こで、「今どのくらいのペースで走っておられますか?」とたずねてみる。「今は少しペースを落としていますので、大体1キロ5分45秒程度です。」という 返事が返ってきた。現在私は1キロ5分30秒少々で走っている。だから、この集団の位置にグロスサブ4の線があるわけだ。ここまでくれば、ペースメーカー とのタイムの貯金を考えて良いだろう。 そう考えて、ペースを維持したまま、30キロを2時間48分25秒、この5キロ を27分55秒で通過する。前回のこの5キロは28分14秒だが、27キロ手前でペースを上げたから、多分この場所ではすでに27分台前半のペースになっ ていたはずである。今日の場合は、ペースは上げられないが、幸いペースを維持することはできる。下手なことをして35キロの壁に出会ったら大変なことにな るので、ここは我慢を決める。後ろにいるはずのペースメーカーに抜かれなければいいはずだ。32キロ手前で18Mが通過していく。ここでも決して鉄モード は忘れない。昨年のマラソン直後にこのコースを走っていたら、Yoshikenさんから「そろそろ鉄に戻りませんか?」という旨のメールをもらって苦笑い したものだ。私のダイエットそのものが「鉄分ダイエット」ならば、ジョギングも決して「鉄モード」を忘れようとは思わないので、Yoshikenさん安心 してください。 そして、24キロあたりで追い抜かれた女子高生が再び近づいてきて31キロを過ぎたところで抜く。さら に、32キロを過ぎたところでは、昨年ゴール直前に追い抜いた女性(背中に書かれていた所属で判明)を追い越す。さらに、トンネルに入ると本来私が目標と していた職場の先輩を2人抜いていく。この2名の先輩は、いずれもここ最近調子が悪いらしい。私も昨年の初マラソン以来膝の調子を落としていたわけだが、 よくぞここまで復活できたものだとも思う。 トンネルを抜け、堀江に戻ってくると、堀江小学校までの下り坂に給水地点が ある。体感温度はかなり高くなっており、脱水症状にだけは気をつけなければならない。ただ、所詮水分をとるだけでは、胃袋からの補給に限界があることも事 実である。昨年のように湿度が高いほうが体にはいいのかもしれない。私は、この給水ポイントの直前でついに手袋をはずした。それくらい今日は暑く感じる。 そ の給水ポイントを過ぎ、堀江小学校を過ぎると、すぐに35キロ地点となる。3時間16分21秒で、この5キロは27分56秒かかっている。昨年のこの5キ ロは26分48秒だから、昨年よりもペースは落ちている。が、イーブンペースでは走っている。イーブンペースで走れば、グロスサブ4は可能である。なによ りも、イーブンペースであれば、後方にいるペースメーカーに抜かれることもないだろう。 そして、まもなく後半の難所で もある平田の坂を迎える。昨年もそうだったが、この坂はすでに失速したランナーにとっては地獄となり、ここでペースの落ちないランナーにとっては、抜き放 題の場所となる。今日も抜き放題となったのだが、失速したランナーの壁で思うように抜けないため、コーンの外側を走って追い抜くということになっている。 だが、今日の私自身もこの1キロ5分49秒かかって、ようやく坂の頂点にたどり着く。ここからは下り坂が始まるのだが、どうやら今日も苦しいながらも35 キロでペースダウンすることはなかったようである。 下りの1キロを5分15秒まであげ、残り5キロを3時間28分30秒で通過する。スタートロスはわずか50秒。この体調ならば、よもやここから5キロ30分かかることはあるまい、とようやくグロスサブ4を確信する。 だが、事態は平穏な結末を迎えさせてはくれなかったのであった。(2011.02.11) |