第50回愛媛マラソン。ついにこの大会も、気楽に走れる大会ではなくなってしまった。9月1日の「ランネット」によるインターネットエントリーは、実に4時間10分で打ち切られるという、愛媛県においても空前のマラソンブームが押し寄せてきたのであった。 私は、幸いにもエントリー当日休暇をとり、無事にエントリーできたわけだが、この状況では、次の大会に出場できる保障がない。だから、今回は練習についても十分に堪能しなければならないと心に決めたのであった。その一環として、愛媛マラソンコース試走時は、同一歩道だろうと、4車線の反対側の歩道だろうと、ランナーを見つければ手を振る。特に昨年の愛媛マラソン参加賞であったオレンジ色の手袋は目立ちやすかったものだ。 とまあ、そのあたりは自己満足に過ぎないわけではある。
さて、その堪能を繰り返した愛媛マラソンがついにやってきた。 今 回の目標は、当初グロスタイム3時間50分切りだったのだが、昨年の秋以降、序盤のスピードがついてきたこともあり、実は3年前、まだ愛媛マラソンの制限 時間が4時間だった頃の35キロ関門である3時間07分を目標にすることを考え始めた。これは大変大胆な発想だ。昨年サブ4を達成したものの、実は35キ ロを3時間17分10秒かかっているのだ。つまり、前回より35キロ地点で10分早く走るということが目標となる。 しかも、3週間前の最終試走では、35キロを3時間02分20秒で走った。このあたりから、ネットタイム3時間40分切りをひそかに狙 うようになっていた。前半は1キロ5分10〜15秒、後半は1キロ5分15秒程度。つまり、今回初めて、後半のペースダウンを考えたレース配分となった。 余力を持ちながら惰性でペースダウンできたら最高だ。 一方の体調の方である。昨年は、直前1週間は風邪具合が悪く、グロスタイム3時間50分切りをあきらめた経緯がある。 今年はどうか。実は、やっぱり風邪はひいている。ただ、鼻風邪と少々腹がゴロゴロするくらいで、昨年のような脈が多いということはな い。下半身についても、左アキレス腱に多少違和感がある程度で、膝に関してはまずまずの状態に仕上げた。また、前日には接骨院でテーピングもした。ただ、 前週の気温が低かったせいか、昨年同様トイレが近い。 さて、いよいよ覚悟をきめようか。 当日は、昨年同様、会場へは7時40分頃に到着しようと考えていた。ところが、前日の受付時「荷物の受け取りは8時半までです。」とい われたため、10分早く会場入りをする。が、結局のところ荷物の受け取り最終時刻は9時だった。まあいい。今回も天気はよさそうだから、外で着替える人も 多いはずだ。だから、昨年よりも2000人増えても、会場が満員ということはあるまい。と、昨年と同様の場所で支度を始める。 まずは、大きな方のトイレ。市民会館の大ホールは男子専用のため、すべてのトイレが男子に開放されている。これも、私が会場を後にした8時20分頃には列をなしていたから、これまた正解。 荷物を預けて、まずは仮設トイレに行く。が、なんだかトイレの雰囲気がおかしい。昨年のこの時刻、つまり8時40分頃のトイレはガラガ ラだった。だが、今回は既にトイレの前に長い列ができている。このあたり、参加人数が増えたときは、混雑は正比例するのではなく、2乗に比例しているよう な気がする。ということは、スタート直後の混雑も、給水地点の混雑も、コースのトイレの混雑も同様なのかもしれない。 トイレを出て、スタートの整列場所に行く。体調はそれほど悪くないのだが、いかんせんトイレが近い。だから、ぎりぎりまでトイレで粘っ て最後尾に着くか、とっとと列に着いて、出走後早々にトイレに行くか。とりあえず、後者を選んだのだが、そうなれば、中途半端な並び方はよくない。 Bブロックへ行くと、これまた昨年とは何かが違う。昨年は、A〜Eまでのブロック別に公園の通路に並んでいた。今年はS、A〜Dの全ブ ロックが一箇所に集められている。だから、昨年で言えば、並びの早いC〜Eブロックに触発されて、Bブロックも先に列ができるのではないかと思っていたと ころ、そのとおりであった。某ブログによると、むしろGブロックは整列が遅かったそうだ。なお、整列場所にはボランティアの方々が、自分のブロックでない 場所に並んでいないか、目を光らせていたようだ。 ただ、このB、Cブロックの並びの早さは、別のところにあった。というのは、そのあたりの直前に式典の場所があったのだ。当然ゲストに近い場所にいられるし、テレビに映る確率も高くなる。しかし、確かに今年は列のできるのが早い。昨年もう一度トイレに行った8時50分に なると、既に身動きすべきでない状態になっている。仕方がないから、隣の人と話をさせていただいたりしながら気分をまぎれさせたりしたものだ。そういえ ば、その直前には、私をマラソンに導いた師匠こと元上司を見かけた。師匠は私を見るなり、「ブログ見たぞ!」「結構師匠を登場させていただきました。で も、悪くは書いてないでしょ?」その直後の師匠はにやりと笑った。 そうそう、今回の私の服装である。基本的には前回と全く同じ。ただ、長袖ランニングの上は今回は100円ショップのビニール合羽に 298円のランニング用ポンチョ。そして、腹と背中にカイロを貼っている。実は、今朝雨雲レーダを見ていると、なんとなく午後になって雨が降ってもおかし くない様子なのだ。だから、ポンチョは小さく折り包めることもあり、ウエストポーチに収納。ビニール合羽は一応そのまま走ったら、ナンバーカードが見えな いので、スタート直前にお腹に巻くが、こちらは申し訳ないが途中で捨てる予定。 スタートセレモニーはいたって簡単。スペシャルゲストの高橋尚子さんや古田元監督もここは一言だけ。2年前、市長として走った現愛媛県
知事は「今年は私も走ります。」、その直後、松山市長は「私はスタートのピストルを鳴らします。」というより、今回の目標は、昨年の君原選手のグロスタイ
ム3時間42分を切ることにあったのだが、今回は寺澤選手と一緒に10キロだけ走るらしく、大変残念である。昨年、師匠は終盤君原選手に追いつき、最後一
緒にゴールインしている。しかも、この師匠は昨年5キロをネットタイムで25分55秒〜26分35秒というみごとなイーブンペースで走っている。だから、記
録は昨年の君原選手、ペースは昨年の師匠と考えていたものだ。今回師匠は目の前にいるし、師匠を目標にしたいが、私は序盤でトイレに行くし、師匠は昨年
10-15キロで25分台を出しているから、そのペースについていくのは少々不安がある。 今回のコースは、4・2キロあたりで自宅から300メートル付近を通過する。そのあたりには妻が待っているという。通過予定時刻は9時52分。ただ、その直前にあるトイレに飛び込めたら最高でもある。というより、スタート直前、既にトイレに行きたい。 そして、いよいよスタートラインへの移動が始まった。(2012.02.08) |