右側だけではあるが、30キロを前にはっきりと膝の痛みが現れてきた。だが、痛いだけならばお友達だ。骨に突き刺さるような痛みや、関節がかみ合っていないような痛みなら別だが、多分、右ふくらはぎをかばってきたツケが来たのだろう。 28キロ2時間25分59秒、29キロ2時間31分11秒で通過。このあたりは一応平坦ではあるが、28キロを過ぎると川をいくつか越えるし、それ以外はあまりに単調だから、後半は意外とペースが落ちやすい場所でもある。 30キロを2時間36分26秒、25-30キロを26分01秒で通過。最初の5キロ云々を除くと、ここで初めて5キロ26分台に乗ったわけだ。ただ、実際 に走っている場合は、そんな計算はできるはずがない。頭にあるのは、前半は1キロ5分10秒だったのが、25キロあたりから5分12秒が当たり前になり、 ここへきて5分15秒かかった、つまり若干ペースが落ちた、という感覚だけだ。
(オールスポーツから記載、左33・3キロ、右36・5キロの平田の坂) 31キロ2時間41分36秒、32キロ2時間46分46秒はわずかしかペースは上がっていないようだが、多分30キロ付近のペースのままだったら、1キロあたり10秒ずつは時間がかかっていると思う。 その32キロを過ぎた光洋台駅前の交差点で、三度高橋尚子さんと出会う。ここでも前の方よりも強いハイタッチをいただく。多分偶然だよね。で、隣の人と 「高橋尚子さん、結局走らなかったんですかね。」と話したりする。が、実際には、スタート地点で最終ランナーを見送った後、最高方からランナーを抜いてい き、16キロ地点手前の交差点を高縄山方面へ右折し、25キロ地点へ先回りするという、私がよく走ったコース(さすがにあぜ道ではなかったろうけど)を 走ったであろうことは周知の事実であった。ひょっとすると、16キロ手前の交差点から25キロ地点、25キロ地点からこの32キロ先の光洋台交差点の間は車 で移動したかもしれない。なにしろ、25キロ地点からここまでは一直線である。 さあ、いよいよ帰りのトンネル区間が始まった。特に復路のトンネル手前は結構急な上り坂だ。なにしろ、1つ目のトンネルを出ると判る が、往路よりもかなり高い位置を走っている。そのトンネル出口手前の33キロ2時間51分59秒。このトンネルを出たところが左上の画像。昨年と違って、 ちゃんと前を向いている。 それにしても、今日の天気は最高だ。昨年は気温が上がり、このあたりでは脱水症状を心配したし、事実手袋を脱いだ。今年は、直射日光が なく、気温も高くない。それでいて、風もほとんどない。それも右後方からのゆるやかな追い風である。こんな大会はめったにないのではないか。 34キロを2時間57分12秒で通過し、いよいよ今回の大会で一番こだわってきた35キロ地点がやってきた。第47回大会の制限 時間は4時間だったが、その35キロ関門は3時間07分だった。ちなみに、昨年の私の記録は3時間16分で、ゴールタイム3時間55分。全く話にならな い。そんなめちゃくちゃな関門を作るなよ!と言いたいが、それならば、35キロの記録を10分縮めてやろうというのが今大会の最大の目標であった。最終 35キロ試走の3時間02分20秒はその先に平田の坂があることを想定した試走だった。 その35キロを3時間02分22秒、30-35キロを25分56秒で通過。トイレロスを考えると、会心のペースである。これでサブ4を達成すれば3年前の愛媛マラソンをクリアできる。というより、後半型の私にとっては35キロまでが勝負であった。 そして、いよいよ平田の坂が近づいてくる。坊っちゃんマラソン後、フル1回、35キロを3回試走しているが、35キロ走ではあくまで、平田の坂は仮想である。唯一のフル試走は35キロが3時間12分だから話にならない。 この復路平田の坂であるが、昨年は私の後ろに3人ほどとりついて、私をペーサーにしていたらしい。思わず、今年は途中で後ろを振り返る 自分がいたが、幸か不幸かペーサーにされることはなかった。ただ、上り坂の常套手段では、「坂の上を見るな」ということで、下を向いているところを撮影さ れている。これは往路平田の坂でも同様だった。昨年に比べると、この坂でギブアップしている方々の数は少なかったようである。ただ、昨年と比較すると、ふ くらはぎの痙攣を起こしたと思われる方々が多かったようにも思う。私も人のことをいえないが、復路トンネルの間では、今まさに足がつったという人が崩れ落 ちるのを見た。思ったよりも気温が高くなかったというのが原因だろうか。 平田の坂も終盤となり、36キロ3時間07分40秒はこの上り区間を1キロ5分18秒で通過。昨年5分49秒かかったことを考えるとかなり速い。 そして、下りに入る。地の利もあって、この平田の坂は、往路用、復路用の練習を重ねてきた。往路の上りは太腿を使う。往路下りは体を 振って省エネながらペースを上げる。復路上りは腕を振って加勢する。そして、復路下りは重力を利用しながらペースを上げる。ただ、膝の負担を考慮して、若 干膝を曲げる。 そのとき、私を下りで抜いていくランナーがいた。付いて行こうとしたとき、突然 右膝に痛みが走る! 先ほど述べた「膝の関節がかみ合わない」という症状だ。これはたまらない。 内股で走ったり、走り方を変えたりして、その場を取り繕う。ここでペースを落としたら、もう終わりだということはわかっている。 幸い、症状は、ペースを上げなければ、それ以上悪化することはない。ただ、これでグロスタイム3時間40分は消えていくことを覚悟する。これ以上ペースを上げられない状態で、ネットタイムはどうか。 心肺は非常に楽な状態で、楽しみながら後半を迎えるはずが、もともと爆弾をかかえていたとはいえ、予想外の展開となってしまった。(2012.02.11) |